
この記事をまとめると
■「アウディ」「BMW」「メルセデス・ベンツ」はモータースポーツ活動にも積極的だった
■各社は当時DTMで激戦を繰り広げており人気を博した
■市販車として展開された当時のホモロゲーションモデルは今でも中古市場で人気が高い
ドイツ御三家のレースヒストリー
クルマを趣味としているエンスージアストが、常にその記憶のなかから忘れることができないもの。それはやはりモータースポーツだろう。もちろん人それぞれに、もっとも印象深い時代、あるいはカテゴリーというものがモータースポーツにもあるのは確かなところ。
今回は時間を1980年代から1990年代にまで戻して、この時代のモータースポーツから連想されるドイツ御三家、すなわちアウディ、BMW、メルセデス・ベンツの懐かしく、そしていまでもマニア心を刺激して止まないモデルを紹介していくことにしよう。
デビュー当時、「クワトロ」と呼ばれる4WDシステムをロードカーに搭載したことで、その独自性を世界に轟かせたのはアウディだ。1980年春に開催されたジュネーブショーで、アウディはその名も「クワトロ」と呼ばれるニューモデルを発表。
直線を基調とする端正な2ドアクーペボディをもち、アウディの最上級モデルだった200シリーズから2.1リッターの直列5気筒DOHCターボエンジンを継承。初期モデルですでに最高出力200馬力を発揮していたクワトロは、すぐに当時グループ4規定で選手権が競われていたWRC(世界ラリー選手権)に投入。エントリー初年となる1981年から圧倒的な速さを見せつけたのだ。
ちなみにラリーステージに投入されたクワトロは、1981年モデルで310馬力、1982年モデルでは330馬力を発揮したとされ、その強さはそのままアウディ車のセールスに大きく貢献したことは確かなところである。