
この記事をまとめると
■フェラーリとランボルギーニはよく比較されるスーパーカーの二大巨頭だ
■半世紀前であればブランドの成り立ちからその違いを見つけることができた
■現在では「洗練」と「挑発」という言葉が両社にはピッタリだ
フェラーリとランボルギーニってなにが違う?
「スーパーカー永遠の二大巨頭、フェラーリとランボルギーニって、乗ると何がどのくらい違うのですか?」
今回編集部から突き付けられたこの問題は、それに答えを導くのはとても難しい。仮にそれが半世紀ほど前の話なら、答えは意外と簡単に見つかったかもしれない。それぞれのメーカーの成り立ちが、そのまま商品のコンセプトに表現されていたからだ。
1947年創業のフェラーリの場合は、そもそもレースの世界に惹かれる人のための、言葉を変えるのならば当時最新のデザインと技術をもつスポーツカー、あるいはGTを好むカスタマーのために作られたクルマ。一方1963年に誕生したランボルギーニは、ダイナミックでカスタマーの個性を主張することができるデザインを採用したGT。それが歴史の始まりにあるモデルだった。
そのフェラーリとランボルギーニが、直接ストラダーレ(ロードカー)の世界でライバル関係となるのは、V型12気筒エンジンをフロントに搭載した275GTBをフェラーリが、一方それをミッドに横置き搭載したミウラをランボルギーニが市場に送り出したときに始まる。
当時、ランボルギーニを率いていたフェルッチオ・ランボルギーニは、モータースポーツへの進出を嫌っていたという事情もあり、最初はミウラの量産には否定的な意見を唱えていたというが、実際に市場に投じられたミウラは、その大胆で流麗な美しさと、ハイパワーが生み出す圧倒的な運動性能で、世界初のスーパーカーと呼ばれるまでに至った。
いやフェラーリのファンには、あの250GTOがミッドシップのコンペティツィオーネ(レースカー)、250LMと275GTBの両車に進化を遂げた瞬間こそが、スーパーカーの始まりであると考えられるのかもしれないが。