WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

音楽も音声も流れてないけど……アチコチの道路で見かける「ラッパ」のような装置はなに?

音楽も音声も流れてないけど……アチコチの道路で見かける「ラッパ」のような装置はなに?

この記事をまとめると

■バイパスや高速道路の壁や頭上に拡声器のような機械が設置されている

■この拡声機みたいな装置は超音波式の車両感知器だ

■渋滞時の通過時間などを計算するために利用されている

小さいラッパみたいな機械の役割

 高速道路や自動車専用道路、また都市高速道路などのコンクリート壁の上に、小さな拡声器のような物が等間隔に設置されている箇所がある。これは、超音波式の車両感知器だ。

 拡声器のような送受器から断続的に超音波を発し、クルマからの反射波をとらえ、反射波が戻ってくる時間の違いから、クルマが通過したかどうかを認識するためのもの。

 これを利用して、通過したクルマの台数や通過速度を判定し、これを情報として走行中の運転者へ移動時間の予測や渋滞情報などとして伝える。

 超音波は20キロヘルツ(kHz)以上の音波をいい、人が聞き取れない音をいう。特徴は、指向性に優れる点で、まっすぐ進みまっすぐ戻ってくるので、計測に利用できるわけだ。その感知精度は、軽自動車以上の車体寸法であれば95%以上といわれる。

 高速道路などで見かけるような路肩壁面のほか、ゲートの上から下の路面へ超音波を照射する使い方もある。また、トンネル内でも利用できるようになっている。

 車両感知以外の使い道として、超音波はソナーやカッター、健康診断での内臓の様子を知る超音波検査などでも使われ、用途の幅は広い。

 超音波を使う車両検知器としては、ほかにドップラー効果を利用する装置がある。

 ドップラー効果とは、近づいてくるものは周波数が高くなり、遠ざかるものは周波数が下がる、音の特性だ。たとえば、緊急車両のサイレンが、近づいてくるときと遠ざかるときとで音程が変わるのを経験しているのではないか。その特性を使い、クルマが近づいてきたら信号機を青にするなど、比較的交通量の少ない道路で利用される。

 道路を走るクルマの状況を感知する施設としてはほかに、光ビーコンがある。

 光ビーコンは、近赤外線を使い道路施設とクルマとの相互通信による交通管理などで利用され、感知性能は超音波式と同等以上であるとされる。

 最近では画像をAI(人工知能)で解析し、クルマを認識する手法もある。これは交通量を測定するのに使われるほか、交通量の多少に応じて信号を変えるなどに利用できる。

 車両感知や検知する装置には種類があり、用途に応じて使わけられている。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了