
この記事をまとめると
■赤色灯をつけていてもサイレンを鳴らしていない緊急車両を見かけることがある
■緊急車両が緊急走行をするときは「赤色灯」と「サイレン」が義務となっている
■どちらかがかけている場合は緊急走行ではないため道を譲る必要はない
サイレンを鳴らしていない救急車や消防車は何をしてる?
救急車や消防車など、街なかを走行している緊急自動車をよく見てみると、赤色灯をつけているものの、サイレンを鳴らしていない状態で走っているときがあります。この状態は何を意味しているのでしょうか。今回は、緊急自動車が赤色灯をつけているけどサイレンを鳴らしていないときについて解説します。
緊急走行するときは「赤色灯」と「サイレン」が義務
救急車や消防車をはじめとする緊急自動車が緊急走行をするときは、赤色灯を点灯させ、サイレンを鳴らさなければなりません。また、クルマを運転しているときに、緊急走行をしている緊急自動車が近づいてきたときは、緊急自動車に進路を譲らなければないため、赤色灯をつけてサイレンを鳴らしている緊急自動車が近づいてきたら、速やかに道を譲りましょう。
このような一般的な認識からも、一刻を争う緊急走行をしている緊急自動車は、サイレンを鳴らしているのが当たり前となっています。
しかし、緊急自動車を要請した人のなかには、「サイレンを鳴らさないでほしい」と要望する人もいるようです。
ただ、緊急自動車が緊急走行をするためには、赤色灯をつけてサイレンを鳴らさなければならないと義務付けられています。そのため、緊急走行をするときに、サイレンを鳴らさないようにすることは原則としてできません(一部例外的にサイレンを鳴らさない場合もあります)。
では、街なかでときどき見かけることがある、赤色灯をつけているのに、サイレンを鳴らしていない救急車や消防車は何をしているのでしょうか。
赤色灯をつけているけどサイレンを鳴らしていない救急車は帰るとき!?
救急車が赤色灯をつけているのにサイレンを鳴らしていないときは、緊急性が低い現場に向かうときや搬送先の病院から消防署に戻るときなどです。また、緊急走行中に渋滞にハマってしまったときも一時的にサイレンを消すこともあります。
赤色灯をつけていてサイレンを鳴らしていない消防車は業務中
消防車が赤色灯をつけているのにサイレンを鳴らしていないときは、緊急でないものの現場に向かうとき、業務を終えて消防署へ戻るとき、火災が発生した場合に利用する水利の確認や調査、火災予防のため建物等への立入検査のときなどです。
消防車は、何らかの業務をしているときに、赤色灯をつけてサイレンを鳴らさない状態で走っています。
赤色灯をつけているときは何らかの理由がある
ここまで解説してきたように、救急車や消防車などの緊急自動車が、赤色灯をつけていてサイレンを鳴らしていないときは、何らかの理由があるときです。
ただ、サイレンを鳴らしていないため「緊急走行」の状態ではありません。そのため、運転中に赤色灯をつけていてサイレンを鳴らしていない救急車や消防車が近づいてきた場合は、道を譲る必要はないということです。
このように、サイレンを鳴らしているかどうかで、運転中の対応にも違いがあるため、緊急走行の条件(赤色灯+サイレン)と緊急走行時以外(赤色灯のみ)の対応は覚えておくとよいでしょう。