白バイがサイレン鳴らして渋滞時に一般車を誘導……って警察の小遣い稼ぎ!? インドネシアの緊急走行事情

この記事をまとめると

■ジャカルタでは道路渋滞時に白バイに先導された車列が通り過ぎるのを見かける

■かつては警察が小遣い稼ぎのために特別料金を払った車両をパトカー先導で渋滞回避していた

■警察の正式業務として請け負うこともあるので注意が必要

緊急走行車両に先導された車列が頻繁に通り過ぎるジャカルタ

 夕方の道路渋滞のひどいころにジャカルタ市やその近郊でタクシーに乗っていると、サイレンを鳴らし警光灯を点灯させた白バイに先導された車列が、日本で緊急車両が渋滞をかき分けて緊急走行するような形で通り過ぎていくことが目立つ。

 過去には、夕方の渋滞時になると警察が小遣い稼ぎのために、特別料金を払った車両についてパトカー先導で路肩走行して渋滞回避していたという話を聞いていたので、「ははーん、これも小遣い稼ぎなのかな?」と現地事情通に聞くと、「警察官個々の独断でワイロを取って行うものではありません。警察の正式業務として車列の警護を請け負うことがあるのです」と教えてくれた。

 今回開催されたGIIAS2023(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2023)に、日本から多数のメディアを呼び寄せていた日系ブランドメーカーがあったそうだ。その日系ブランドでは、ジャカルタを宿泊地として近郊都市にあるショー会場を往復していたそうだが、大型観光バスにまとめて招待したメディア関係者を乗せて移動するのではなく、ミニバンを複数連ねて移動していたそうだ。目撃したX氏によると、「会場前に白バイを先導にかなりの台数の車列ができていました。そして最後尾には装甲車のようなものまでありました」とその様子を語ってくれた。

 インドネシア国内では分離独立を求める勢力もあり、コロナ禍前にはショッピングモールに入る車両の下まわりを鏡で見て爆弾がないかチェックするなどしていたこともあるので、バスでまとめて移動することによるテロのリスクを分散させる意味もあったのかもしれない。また、夕方にジャカルタ方面をめざすには渋滞は避けては通れないので、その意味でも警察の警護を頼んだのかもしれない(緊急走行扱いで渋滞をかきわけて通ることができる)。

 日曜日にジャカルタ中心部の大きな交差点で、そこを通るクルマをウォッチングしていると、サイレンを鳴らした白バイが先導する車列を意外なほど多く見かけた。独立記念日が近いこともあるのかもしれないが、日曜日にそこまでVIPが公式日程での移動するのかなあとも疑問に思っていた。とにかくタクシーに乗っていると、後ろからサイレンが聞こえ、そして渋滞をかき分けて車列が通過するというシチュエーションには結構な頻度で出会うので、事情通のいう警察の警護サービスを利用している人が多いのかもしれない。

 どういう事情でサイレンを鳴らしてくるのかもわからないので、とりあえずサイレンが近づいてきたら、ドライバーは道を開けていた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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