
この記事をまとめると
■訪日外国人が日本の標識を理解しづらいという声が報道で取り上げられている
■海外でも現地独自の標識は多く理解するのも旅行の楽しみといえるだろう
■翻訳アプリも進化しており「不便」と決めつけることには疑問が残る
道路標識は国によって意外なほど異なる
来日したインバウンド(訪日外国人観光客)がレンタカーを借りて観光地などをめぐる際、日本の道路標識がわかりにくいということが話題となり、管轄官庁でも見直しを……といった報道も目立った。漢字やひらがな表示だけが問題という話もあるが、駅や電車の車内などにある行き先表示などは、多言語化を進めた結果、今度は日本語表示がなかなか出ないのでわかりにくいと日本人からのクレームが出ているようである。
道路標識については、国際規格と異なる形状のものもあることが指摘されているが、なにもそれは日本だけではない。アメリカもかなりドメスティックなものが多いだけではなく、英語表示のみの文字での指示や案内は意外なほど多い。ただ、筆者は「わかりにくいから直せ」派ではなく、「郷に入れば」派なので、一生懸命理解するようにしている。
先日、中国の上海市を訪れた際、そこでも独特な道路標識が目立ったので、一例を紹介しよう。
まずは、逆三角形の形で外側が赤、内側が白く、簡体漢字でなにやら書いてある標識。勝手に「とまれ」の意味かなぁと思っていたら「譲れ」であった。漢字文化圏の日本で暮らす筆者だが、同じ漢字でも日本での「豚肉」が中国では「猪肉」となるなど、意味が異なるケースは多い。ましてや簡体漢字では、まさにお手上げに近い。ちなみに中国ではタクシーを「出租車」と表記するが、北京語が広く使われている台湾では「計程車」となっている。
次に、クルマの絵に赤斜線が入っている標識。「通行止め」かと思いきや、「乗用車通行禁止」の標識であった。昔のセダンのようなイラストだが、いまやミニバン、SUVなどボディタイプは多彩になっている。中国では社用車などでセダンを日本よりは多く見かけるが、若い世代にどこまで通じるのか心配になってしまった。