
この記事をまとめると
■ランチアにはかつてテーマというセダンが存在した
■「プロジェクト4」の一環のなかで作られたモデルだ
■のちにフェラーリのV型8気筒エンジンを搭載する「8.32」が登場し大きな話題となった
「プロジェクト4」のなかで誕生したイタリアンセダン
現在では、スーパースポーツ並みのパフォーマンスをセールスポイントとするサルーンは多くあるが、デビューから40年以上を経過してもなお、記憶のなかから忘れ去ることのできないモデルがある。イタリアのランチアが1986年にフラッグシップサルーンのテーマに追加設定した「テーマ8.32」がそれだ。
ちなみにテーマは、それまでのベータやガンマの後継車として1984年に発売されたモデルで、基本設計はサーブ(9000)、アルファロメオ(164)、フィアット(クロマ)、とともに行われた。これは当時「プロジェクト4」と呼ばれ、アッパークラスサルーンの市場で大きな脅威になるのではないかとの噂も高かったのだ。
この4車のなかでも、当時のイタルデザイン・ジウジアーロがデザインを担当したランチア・テーマは、その重厚で落ち着きのあるエレガントなスタイルで、ランチアというブランドがもつ高級感とスポーティなイメージを見事に表現してみせた。
こちらも優雅な雰囲気にまとめられたインテリアは、ランチアのチェントロ・スティーレ(デザイン・センター)の手によるもの。テーマはデビュー時から確かに圧倒的な人気を得ることに成功したのだ。