
この記事をまとめると
■マークⅡにはかつてワゴンモデル「ブリッド」が存在した
■走りも楽しめるモデルで280馬力の直6エンジン搭載モデルもあった
■ワゴンとしての使い勝手も抜群でだった
マークⅡシリーズにおける最後のワゴン
今ではカローラツーリング、カローラフィールダーしかないトヨタの乗用ステーションワゴンだが(クラウンエステートはトヨタのHPではSUVに分類されている)、かつて、マークⅡブリッドというステーションワゴンが存在したことを覚えているだろうか。
2002年1月に発売されたマークⅡブリッドは、マークⅡのワゴンモデル、クリオスの後継モデルであり、クリオスがFFのカムリ グラシアをベースにしたステーションワゴンだった。
マークⅡブリッドは9代目マークⅡ(2000年10月発売)のプラットフォームを用いたFRのステーションワゴンであった。
ちなみに、改めて車名の由来を説明すると、MARKは英語の目標・成功・名声、Ⅱはコロナの第二世代、コロナの上級車、BLITはドイツ語の稲妻から作った造語であり、それを組み合わせたのがマークⅡブリッドということになる。
当時のカタログの最初を飾るコピーは、「走りを、心から楽しめるワゴンをつくりたかった」である。
5人乗りとなるステーションワゴンボディは全長4775×全幅1760×全高1470mm。ホイールベース2780mmで、マークⅡセダンより全長が40mm長い、スタイリッシュかつ伸びやかなボディラインをもっていた。
パワーユニットはマークⅡセダンと共通の2リッターおよび2.5リッター、4種類の6気筒エンジンを用意していた。2リッターのiRは118馬力(1G-FE)、2.5リッターエンジン搭載のiR-Sは147馬力(1JZ-FSE・4WDモデルは1JZ-SEで196馬力)、もっとも高出力な2.5 iR-Vは280馬力(1JZ-GTE)を誇っていた。※いずれも当時のネット値
駆動方式はFRまたは電子制御フルタイム4WD(i-Four)で、トランスミッションは4速ECT-i、または5速の5スーパーECTを組み合わせていた。サスペンションは贅沢な4輪ダブルウイッシュボーンで、リヤにセルフレベリングショックアブソーバーを採用していたのも特徴的だった。
「走りを、心から楽しめるワゴンをつくりたかった」というカタログコピーを象徴するのは、やはり4WDとのマッチングに優れたVVT-i(連続可変バルブタイミング機構)と高効率セラミックターボを組み合わせた280馬力を発生するiR-Vの用意であり、ワイドレンジでクロスレシオのギヤ比や、ライン油圧最適制御などにより、発進時の出足の良さや伸びやかな加速フィールを実現。ステーションワゴンにしてスポーティな走りを体感させてくれるところが売りであった。