
この記事をまとめると
■ワーゲンバスの再来とされるEVミニバン「ID.Buzz」の日本仕様がデビュー
■先進性とレトロデザインを融合したMEB採用の電動ミニバン
■標準ホイールベースとロングホイールベースが用意され価格は税込888.9万円から
待ちに待った国内仕様デビュー
「ワーゲンバス」の愛称で、半世紀以上に渡って世界中で愛されつづけているフォルクスワーゲン・タイプ2。その再来ともいわれているのが、ヨーロッパで2022年11月に販売をスタートさせたミニバンタイプのEV、ID.Buzzだ。
ここ日本市場においても発表当初からユーザーの関心は高く、イベントでの海外仕様の展示が大反響を受けたことから、2023年3月に日本導入が決定。そこから2年の時を経て、このたび日本仕様のID.Buzzが正式にお披露目された。
その発表会では、フォルクスワーゲン・ジャパンでブランドディレクターを務めるイモー・ブッシュマン氏が登壇した。フォルクスワーゲンのブランドストラテジーについて、ICE車両と電動化車両は2本柱であるとし、そのうち電動化車両の頂点に立つのがBEVモデル群である「ID」シリーズであると説明。そして今回、SUVのID.4に続くそのIDシリーズの国内第2弾として、ID.Buzzの発表と相成った。
会場に現れたID.Buzzは、鮮やかなライムイエローとホワイトのツートンカラーを纏った1台。この特徴的なツートンカラーは、もちろんオリジナルのタイプ2をオマージュしたものだ。「元祖ワーゲンバス」たるタイプ2と並ぶと、カラーのみならず全体的にその雰囲気が色濃く継承されながらも、フォルクスワーゲンの最新EVらしい先進性も違和感なく盛り込まれていることがよくわかる。
もちろん、ID.Buzzのハイライトはそのスタイリングのみに留まらない。フォルクスワーゲンの電動車専用プラットフォーム「MEB」の採用によってバッテリーはフロアに統合されるため、低重心と優れた前後重量配分を実現している。当然ながらパワーユニットは電気モーターで、そのアウトプットは最高出力286馬力、最大トルクは560Nmとパワフル。Cd=0.285の優れた空力性能も相まって、2.5トンを超える巨体を軽やかに走らせる。
室内空間に目を向けると、大柄なボディサイズを活かした広大なスペースはユーティリティ面も充実している。2-2-2レイアウトの6人乗り標準ホイールベースモデルと2-3-2レイアウトの7人乗りロングホイールベースモデルが用意され、いずれも3列目シートの取り外しが可能。ロングホイールベースモデルで最大2496リットルという膨大なラゲッジスペースが用意される。
気になる価格であるが、6人乗りの標準ホイールベースモデルの「Pro」トリムが税込888万9000円、7人乗りのロングホイールベースモデルが997万9000円となる。
なお、同等トリムの本国での販売価格は、それぞれ6万1076.75ユーロ(邦貨換算約1024万円)と6万2903.4ユーロ(同1054万円)。輸送費やローカライズのコストも考えると、国内での価格はかなり戦略的なものであることがわかるだろう。フォルクスワーゲンが語る「日本は重要な市場のひとつ」という言葉にも真実味が増してくるというものだ。
ミニバンとしては高価なモデルであることは否めないが、補助金の存在や国内では他に類を見ないミニバンタイプのBEVモデルであることを鑑みても、その価値は十分なものがあるといえそうだ。
WEB CARTOPでは、今後もID. Buzzに関する情報を随時発信していく。