
この記事をまとめると
■鈴鹿サーキットを気に入ってるF1ドライバーは多い
■一方で「マシンが大きくて抜かせないから狭い鈴鹿ではつまらない」という意見もある
■実際は昔のF1マシンのほうが大きいので抜ける腕とマシンがあればオーバーテイクできる
鈴鹿サーキットは本当につまらないのか考察する
F1日本GPの舞台でもある鈴鹿サーキットは、流れるようなレイアウトで、多くのF1ドライバーが絶賛している好コース。
たとえば、セバスチャン・ベッテルは「神の手で作られたサーキットじゃないかと思う」とコメントし、マックス・フェルスタッペンも「間違いなく僕のお気に入りのひとつだ」と語る。フェルナンド・アロンソも「ドライブするのが最高に楽しいコースだ」、「カレンダー上のお気に入りのレースのひとつであることは間違いない」とその魅力を語っている。
一方で、決勝レースとなると順位変動がほとんどなく、単調なレースでつまらないといった声も聞かれる……。
実際、2025年の日本GPでは、予選1~10位と決勝1~10位の顔触れは全員同じで、ポジションチェンジがあったのは、予選7位のハジャーと予選8位のハミルトンが、決勝でそれぞれ入り変わっただけ。
鈴鹿は伝統的なコースであるがゆえにコース幅が狭く、車体が大きく重たくなったいまのF1マシンでは追い抜きしづらいといわれている。また、ドライバーに好評なセクター1は、高速セッションであるのでダーティエアの影響を受けやすく前走車に接近しにくく、DRSゾーンもホームストレートの1カ所のみなので、なかなかオーバーテイクに踏み切れない。
一方、オーバーテイクしやすいサーキットとは、どういうサーキットなのか?
たとえば、コース幅が広く、ロングストレートがあって、そのストレートエンドでビッグブレーキが必要だったりするといい感じだろうか。F1ならDRSゾーンが3カ所ぐらいあって、ストレートの手前のコーナーがタイトコーナーでなければさらにベターだろう。
そんな条件に合う1例が、2019年のアメリカGP。実際このときは60回ものオーバーテイクが見られた。舞台となったサーキット・オブ・ジ・アメリカズの1コーナー直前のコース幅は、じつに29.7m!
バーレーンインターナショナルサーキットだと、長いストレートと複合コーナーの組み合わせで、DRSゾーンは3カ所ある。
国内では富士スピードウエイもコース幅は15~25mと広く、1475mのロングストレートがあるので、オーバーテイクシーンは多い。