
この記事をまとめると
■「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」はアメリカから逆輸入されたドリフト競技
■2025年6月14・15日にエビスサーキットで第3戦が開催された
■優勝は8年ぶりに決勝に進出した草場祐介選手が涙の初優勝を飾った
ドリフト王者を決めるシリーズ戦
モータースポーツカルチャーは、そのほとんどが欧米で始まり熟成されたといっていいが、ほぼ唯一、日本発のモータースポーツがある。それが「ドリフト」だ。日本で「魅せるモータースポーツ」として人気を博したドリフト競技は、いまや世界中で多くのファンを抱えるコンテンツとなっている。
そんなドリフト競技のひとつとして誕生した「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」。もともとはアメリカで誕生した「フォーミュラ・ドリフト」シリーズの日本版として2014年から行われている「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」は、本家の厳格なルール・ジャッジをそのまま継承している、いわば逆輸入のドリフト競技。
ドライバーも国際色豊かで、日本人はもちろんのこと、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、イタリア、中国、タイ、シンガポールなど、世界各国から参戦。世界戦といってもいいほどの顔ぶれとなっているのも魅力のひとつだ。
ここで簡単にシステムを紹介しておくと、「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」は1日目予選、2日目決勝という2日間にわたって争われるドリフト競技だ。予選では各選手が2本の単走を行い、ジャッジによる採点により上位32名が翌日の決勝戦へとコマを進めることとなる。
決勝は32名によるトーナメント形式のバトルだ。予選での単走とはうってかわって対戦相手とタンデム走行をする決勝は、単なるドリフトの技術だけでなく、相手に合わせた走行をする適応力も重要となる。先行・追走を入れ替わり行い、より速く美しいドリフト走行したとジャッジされたドライバーがトーナメントを勝ち上がり、最終的に勝ち残ったひとりがそのラウンドの優勝者となる。
予選・決勝ともにいかに審査員にアピールして高得点を獲得できるかがポイントとなる。ジャッジは、インクリップポイントとアウトクリッピングポイントをより近くより理想的なラインで通過できたかを判定する「ライン」、コースに設定されたポイントに対してどれだけ深いアングル(角度)でスムースに通過できたかを採点する「アングル」、ドリフトの美しさとスピード、そして迫力やタイヤスモークの量、パッション(情熱)などを加味して採点される「スタイル」の3つの基準で判定される。