
この記事をまとめると
■危険物積載車が通行できるトンネルとできないトンネルがある
■長大トンネルや水底トンネルでは危険物積載車の通行は禁止または制限される
■危険物をクルマで運ぶ際は積載できる数量や積載方法などに要件がある
トンネルの保全および通行による危険の防止が目的
高速道路を走行しているとよく見かける「危」を掲げたトレーラーには、通行できるトンネルと通行できないトンネルがあります。このトンネルの違いとは何なのでしょうか。今回は、危険物を積載しているクルマが通行できるトンネルと通行できないトンネルの違いを解説します。
危険物を積載しているクルマが通行できないトンネルとその理由
危険物を積載しているクルマは、道路法第46条の3(後に解説)の規定などにより、長大トンネルや水底トンネルの通行を禁止または制限されています。通行を禁止していたり規制していたりする理由は、トンネルの保全および通行の危険を防止するためです。
もし、長大トンネルで危険物を積載したクルマが事故を起こした場合、トンネルの外へ逃げるまでの避難距離が長く、逃げ遅れが発生する可能性があります。また、火災や人体に害をおよぼす漏洩物などにより、人命にかかわる悲惨な結果を招いたりする危険性があるため、通行を禁止または制限しているのです。
この通行の禁止または制限に違反した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となるため、道路標識や各高速道路で定められている規制を守るようにしましょう。
では、なぜ高速道路ごとに危険物積載車が通行できないトンネルを規制しているのでしょうか。その理由は道路法が関係しています。
道路管理者の指定により危険物を通行できないトンネルが決められている
道路法 第46条(通行の禁止又は制限)の3には、次のように定められています。
【道路法 第46条(通行の禁止又は制限)の3】
道路管理者は、水底トンネル(水底トンネルに類するトンネルで国土交通省令で定めるものを含む)の構造を保全し、または水底トンネルにおける交通の危険を防止するため、政令で定めるところにより、爆発性または易燃性を有する物件その他の危険物を積載する車両の通行を禁止し、または制限することができる(道路法 第46条(通行の禁止又は制限)より一部抜粋)
条文からも、道路管理者が危険物を積載する車両の通行を禁止したり制限したりすることができると明記されています。このような法律により、各高速道路ごとに危険物を積載した車両が通行できるトンネルと通行できないトンネルが決められています。