
この記事をまとめると
■欧州専用の新型三菱グランディスが2列シートのSUVモデルとして登場
■MHEVとHEVパワートレインを用意し多様な走行ニーズに対応
■コネクティッドや先進安全装備も充実し商品力を強化
欧州市場で13年ぶりの復活
三菱自動車は、欧州統括会社であるミツビシ・モーターズ・ヨーロッパ・ビー・ブイを通じ、欧州市場向けの新型「グランディス」を2025年内より順次販売開始する。同車はルノーのスペイン・バリャドリード工場で生産される予定である。
グランディスといえば同社がかつて生産していたミニバンを想起される方も多いかと思うが、本モデルは2列シート5人乗りコンパクトSUVであり、直接の関係はない形となる。
新型グランディスは、コンパクトSUVのASX、ハッチバックのコルトに続く欧州向けモデルで、ルノーからOEM供給されるCMF-Bプラットフォームを採用し、マイルドハイブリッド(MHEV)とハイブリッドEV(HEV)の2種のパワートレインをラインアップする。車名の復活は欧州市場において13年ぶりで、広い室内空間と実用性の高さを特徴としている。
エクステリアは、三菱のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用し、サテンシルバーのアクセント付きブラックグリルにより、力強く洗練されたフロントマスクを形成している。ルーフラインは流麗で、広い室内と躍動感を両立。19インチアルミホイールと、リヤの彫刻的な六角形モチーフ「スカルプチュアル・ヘキサゴン」が重厚感と現代性を強調する。
インテリアは2列5人乗りレイアウトで、後席スライド幅は最大160mm。ラゲッジ容量は434リッターから最大1455リッターまで拡張可能である。ハンズフリー対応の電動テールゲートや、調光機能付きパノラマガラスルーフも装備され、機能性と快適性が両立されている。
パワートレインは2種を用意する。MHEVは1.3リッター直噴ターボエンジンを搭載し、6速MTまたは7速DCTを組み合わせて最高出力103kWを発揮。HEVは1.8リッター自然吸気エンジンに2基のモーターと1.4kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、最大出力115kWを実現する。走行モードはEV、ハイブリッド、回生の3モードに加え、バッテリー残量を確保する「Eセーブ」モードも備えている。
車載ディスプレイには縦型10.4インチSDAを採用し、Google アシスタント、マップなどの各種サービスに対応。Apple CarPlayやAndroid Autoともワイヤレス連携が可能である。ドライブモードは「パーソナル」「エコ」「コンフォート」「スポーツ」の4種を搭載し、さらにスマホアプリ「Mitsubishi Motors」によりデジタルキーや遠隔操作が可能となるなど、コネクティッド機能を強化している。
安全装備では、超音波センサー、前方レーダー、カメラを駆使して周囲をモニタリングし、後退時交差車両検知警報システム(RCTA)を含む先進運転支援機能を搭載。日常走行における安心と安全を高めている。
新型グランディスは、三菱自動車が欧州市場において電動化と商品力の強化を進める戦略の一環として位置づけられ、今後同時期に投入予定のエクリプス クロスBEVとともに、HEV、PHEV、BEVの各パワートレインを備える豊富なラインアップで、多様なニーズに応えるモデルとなっている。