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1年で利益がマイナス1兆円になった日産! 不振の原因は「EVを推しすぎた」の噂は本当か? (1/2ページ)

1年で利益がマイナス1兆円になった日産! 不振の原因は「EVを推しすぎた」の噂は本当か?

この記事をまとめると

■ わずか1年で黒字から6700億円超の赤字に転落した日産

■ EV偏重との批判もあるが実際のラインアップは少数に留まる

■ HEV戦略の甘さとEV開発の影響が業績低迷の一因と考えられる

日産の経営不振に「EV偏重」を疑う声

 2025年3月期決算において、6700億円を超える赤字を計上した日産。2024年3月期は4200億円以上の黒字だったので、わずか1年で利益がマイナス1兆円になるという凄まじい決算となった。それに伴い、グローバルで2万人の人員削減・7工場の廃止といった内容のリストラを進めていくことも発表されている。

 まさに瀕死といった印象で、日産の未来に不安を覚える大衆も多いだろう。そして多くの消費者の間では、「日産の業績が厳しいのは、他メーカーと比べてEV推しが強すぎたからだ」という見かたが大勢を占めているようだ。

 たしかに、盤石といえる経営状況のトヨタは、自動車の持続可能性を探る手法としてHEVやPHEVも含めて幅広く展開する「マルチパスウェイ」の方針を掲げている。はたして、日産の現状は「EVを推しすぎた」せいなのだろうか。

 結論からいえば、製品ラインアップとして日産がEVに傾倒したという事実はない。

 たしかに、日産はグローバル市場向けの量産EVとして世界初となるリーフ(初代)を2010年12月に発売するなど、ファーストペンギンとしてEV界をリードしてきたというのは紛うことなき事実だ。しかしながらグローバルに見ると、リーフ以降はアリア(2020年発表)を出すまで乗用EVのラインアップは増えていない(商用バンであるNV200のEV版にワゴンが設定されたことはあった)。

 実際、2025年7月時点の国内向けラインアップでいっても、日産のEVはサクラ/リーフ/アリアの3モデルしかない。ちなみに、マルチパスウェイを掲げるトヨタはトヨタブランドでbZ4X、レクサスブランドでUX300e、RZと、同じく3モデルのEVを揃えている。

 企業規模が異なるので横並びで比較することは適切ではないかもしれないが、少なくとも「日産はEVが多すぎる」とはいえない。この点だけを見ると日産がEVに傾倒しているという主張が正しいとはいいがたい。

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