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電欠の恐怖がつきまとう電気自動車! ぶっちゃけどのぐらいの距離を走ることができる? (1/2ページ)

電欠の恐怖がつきまとう電気自動車! ぶっちゃけどのぐらいの距離を走ることができる?

この記事をまとめると

■EVのカタログスペックにある「一充電走行距離」をそのまま信じることはできない

■「WLTCモードの一充電走行距離」の50%くらいが安心してEVが走行できる距離と考えたい

■EVにおけるWLTCモードの細分化を自動車メーカーや国土交通省に期待したい

EVの走行距離実態は使い手によって大きく変わる

 静粛性やスムースな加速といったEVならではの特徴は、市場において肯定的に受け止められていると感じる昨今。それでもEVに乗り換えることを躊躇してしまう背景には、航続距離への不安が大きく影響しているだろう。

 エンジン車やハイブリッドカーのカタログ燃費が鵜呑みにできないように、EVのカタログスペックにある「一充電走行距離」もそのまま信じることはできないと、多くのユーザーは感じている。エンジン車のカタログ燃費と実際の乖離については、ユーザーごとの走らせ方によって異なる部分も含めて、それぞれのドライバーが経験則から自分なりの肌感覚をもっているものだ。

「大排気量エンジン車であれば、WLTCモード燃費の8掛け(80%)で走れる」という人もいれば、「ハイブリッドカーは丁寧に乗ってもカタログ値の70%に近づけば御の字だ」という人もいる。ベテランになるほど、クルマの特性に合わせてカタログスペックとの乖離をイメージできるだろう。「高速巡行で条件がよければカタログ燃費を超えることもある」といった経験をもつドライバーも少なくないだろう。

 一方、EVについてはカタログスペックの一充電走行距離が、自分の走らせ方をしたときの実走行とどのくらい乖離するのか体感していないドライバーは多い。一充電走行距離というスペックは、満充電状態からの航続距離を示すものだが、それはもちろんWLTCモードという共通ルールに則り計測されたものであり、当然ながらドライバーのリアルとは異なっている。

 そもそも論でいえば、エンジン車であってもWLTCモードというのは、あくまで測定用の走らせ方である。よく知られているように、エアコンなど空調機能はオフとなっているし、測定自体も室内の試験室によって行われている。走行抵抗などは補正値として測定データに加味され、そうしてカタログ燃費は導かれている。

 EVの一充電走行距離も同様だ。WLTCモードの走らせ方では、エアコンはオフであるし、バッテリーの性能を左右する環境温度は常温(23℃)となっている。走行モードの詳細は省くが、定められた加減速をすることで測定されている。あくまで、ひとつの目安であり、けっしてリアルワールドでの走行において航続距離を保証するものではない。

 非常にレアケースだが、WLTCモードより好条件で走ることができれば、カタログスペックを超える航続距離を実現することもある。しかしながら、多くのケースではカタログスペックほどの航続距離を実現することはないだろう。カタログスペックの一充電走行距離は、あくまで理想的な数値であり、リアルな目安とはなり得ない。

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