
この記事をまとめると
■ガソリンの給油時に給油口から蒸気が出てくる
■蒸気の正体は気化したガソリンだ
■軽油は揮発性が低いのでそういったことが起きない
給油口から出てるモヤモヤの正体
ガソリンを給油する際、立ち上ってくる蒸気は、ガソリンの成分だ。
ガソリンは、マイナス40℃から蒸発するといわれており、石油製品のなかでも非常に揮発性の高い燃料である。したがって、給油の際、給油口から立ち上ってくるのは、ガソリンが蒸発して外へ出てきていると考えてよい。つまり、給油中は身のまわりに可燃性の蒸気がまとわりついていると想像してもよく、給油中はタバコを吸っていけないと昔からいわれてきたのはそのためだ。
また、セルフスタンドでの給油が日本でもできるようになって以後、給油ポンプの操作画面に、静電気を除去するため最初に触れるよう書かれているのは、給油中は上記のように可燃性の強いガソリンの蒸気が身のまわりにあるため、万一、車体に触れるなどして静電気が起きると、それをきっかけに燃え出す懸念があるためだ。
極端な例だが、放火犯がガソリンをまいて放火しようとした際、自身が大やけどを負うなどが起こるのは、ガソリンをまいて火をつけるとき、すでに身のまわりに蒸気となったガソリンが広がっているためだ。
そのように、ガソリンは、取り扱いを繊細に行わなければならない燃料である。
一方、ディーゼルエンジン用の軽油や、ストーブなどで使う灯油は、ガソリンほど揮発性が高くない。したがって、給油中もガソリンのときのような蒸気が立ち上ることを目にすることはない。ことに軽油は、給油口などに粘着性のある液体が残っていることがあるが、それほど軽油は、べたべたとした油っぽい燃料であるのだ。
そのように、軽油は蒸発しにくく、着火性が低いので、ガソリンエンジンの2倍近い高圧縮比により、自己着火で燃焼するため、燃費がよいとされる。