給油中に立ち上るガソリンの蒸気も大気汚染物質
ガソリン給油の際の蒸気は、可燃性という危険性のほかに、大気汚染物質のひとつとして、光化学スモッグの発生原因とされている。排出ガス規制で炭化水素(HC)と分類される成分だ。
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HCは、燃費の悪いエンジンからの排出が多く、いってみればガソリンの燃え残りである。それが、大気汚染に悪影響を及ぼすのであれば、当然、給油中に立ち上るガソリンの蒸気も大気汚染物質になる。
ことに米国では、カリフォルニア州を中心に大気汚染防止への対応が厳しく、セルフスタンドで給油する際に、給油口から蒸気となったガソリンが空気中に拡散しないよう、給油ノズルのまわりに蛇腹の覆いが付いていて、ノズルを給油口に差し込むと、その覆いが給油口をふさぎ、蒸発したガソリンが大気中に拡散しないようにしている。
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大気汚染の防止のためだが、それは結果として、給油中に万一の火災を防止する役にも立っているだろう。
ガソリンは本来、それほど危険であったり、燃やさなくても環境(大気)に害を及ぼしたりする燃料である。
そこを、きちんと理解してセルフスタンドを早くから実用化している米国は、物事を正しく理解し、周知し、かつクルマの使用において利便性を高める社会といえる。まさに、それこそがクルマ先進国の一面ではないだろうか。