
この記事をまとめると
■質実剛健な3ドアハッチバックとして日本でも人気が高かったボルボC30
■C30の良質なイメージを打ち砕くような3台のコンセプトカーがあった
■3台はC30デビュー直後にアメリカ・ネバダ州で行われたSEMAショーで公開された
C30のイメージを打ち破る攻めたコンセプトカー
ボルボC30といえば、良心的な3ドアハッチバックとして2006年から日本国内でも人気を博したモデル。シューティングブレイクにも似たプロポーションと、北欧テイストあふれるデザイン、インテリアでもって、比較的安価ながらなかなか趣味のいい輸入車だったかと。
とはいえ、当のボルボとしてはC30にそれまでのイメージ、すなわち「質実剛健」とか「上質な北欧風」みたいなものを打ち破りたかった様子もうかがえます。なぜなら、アメリカのカスタムカーショー、SEMAに3台ものコンセプトカーを出品しただけでなく、いずれもぶっ飛んだマシンだったからにほかなりません。
エボルブC30
2006年のSEMAで話題をかっさらっていったボルボによる3台のC30コンセプトカー、その筆頭がアメリカのエボルブカーズの協力によって作られた「エボルブC30」。どうやら、当時のボルボと資本提携もあったようで、エボリューションしたボルボという社名の由来があるようです。
鮮やかなイエローに目が奪われがちですが、中身のエボリューションは相当なもの。まずは2.5リッターのT-5ターボエンジンをチューニングして507馬力とノーマル比200%以上のパワーを絞り出しています。
これにはボルボが開発した高効率インタークーラー「チャージドエアクーラー」も貢献しており、ターボからの高温のチャージされた空気をスロットルボディに入る前に冷却パイプに通すというなかなかのハイテク。
また、ノーマルのFFから全輪駆動へとカスタムされたことも見逃せません。シャシーの大改造に加え、四駆マニアにはお馴染みのハルデックス社が全面協力。この際、フロントストラットは強化パーツで間に合ったものの、リヤサスペンションはゼロからの新造品となりました。
さらに、観客の度肝を抜いたのがアルミ削り出し14ピストンのブレーキキャリパー! 一般的にはチューンドカーといえども4ピストン、ないし6ピストンくらいのものですが、14本とは頑張ったものです。
おかげで、フロント/リヤともに19インチのホイールが装着できることになり、507馬力を4輪でしっかり受け止めることが可能になっています。