
この記事をまとめると
■ランボルギーニ・ウラカンの最終進化モデルとなる「STO」に試乗
■最高出力640馬力・最大トルク565Nmというスペックながら気難しさは感じられない
■ニューモデルが誕生してもウラカンの大排気量自然吸気エンジンによる魅力は変わらない
10年以上も生産が続けられたウラカンの最終進化モデル「STO」
前作のガヤルドを超える大ヒット作となったベビー・ランボルギーニ、「ウラカン」。ランボルギーニが2014年から2024年にかけて生産されたこのウラカンに、さまざまモデルを設定したことは前回も触れたとおり。今回はそのなかでももっともスパルタンなテイストをもつことで知られる、「STO」のステアリングを改めて握り、ウラカンというスーパースポーツの魅力を再確認してみることにしたい。
STO、すなわちスーパー・トロフェオ・オモロガータというネーミングが与えられたこのモデルは、世界最速のワンメイクレースとも評される、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・シリーズへと投じられたレーシングカーのパフォーマンスを、公道で再現するために開発された、まさに究極のウラカンともいえる一台だ。
それははたして公道でどれほどの刺激をドライバーに感じさせてくれるのか。興奮、そしてある意味では怖さともいえる特別な感情を抱きながら、センターコンソール上にレイアウトされるスイッチをプッシュし、さっそくミッドに搭載される5.2リッターのV型10気筒エンジンを始動させた。
ウラカンSTOには、もちろん走行モードを総合制御するANIMAが採用されているが、そのデフォルトモードともいえるのは「STO」だ。ドライブを始めてまず感じたのは、そのスパルタンなサスペンションのセッティング。筆者は過去にレーシングモデルのウラカンGT3 EVOを、イタリアのイモラサーキットでドライブしたことがあるが、思わずこのときの記憶が蘇ってきた。
しかしながら、このSTOは、あくまでもさまざまな路面環境に対応しなければならないロードモデル。その乗り心地には一定の節度というものが残されており、慣れるにしたがってサスペンションの動きを楽しむ余裕も生まれてきた。
ちなみにSTOでほかに選択が可能な走行モードは、ドライのサーキット走行用とされる「TROFEO」と、ウエットコンディションで使用する「PIOGGIA」のふたつとなっている。