
この記事をまとめると
■電動化が進む以上パワーユニットの新規開発は難しくなってくる
■ハイパワーかつ大排気量なエンジンは今後出てくる可能性が低い
■新車でほしいなら大きく環境が変わらない限りいまが最後のチャンスといえそうだ
どんどん加速する電動化
いまの自動車メーカーを悩ませている課題がパワーユニット開発だ。以前のパワーユニットは、ガソリンや軽油を燃焼させるエンジンだったが、将来的にはエンジンを搭載しない電気自動車になると考えられている。
ただし、エンジンから電気自動車へ一気に切り替えることは不可能だ。いまは両者の中間に位置するエンジンとモーターを併用するハイブリッド、そこに充電機能を加えて電気自動車としても使えるプラグインハイブリッドが用意されている。
2025年上半期(1月から6月)の国内販売状況を見ると、乗用車全体の53%がマイルドタイプを含むハイブリッドだった。ところがプラグインハイブリッドはわずか1%で、電気自動車も1.4%ときわめて少ない。
電気自動車やプラグインハイブリッドが低調な理由は複数あるが、販売不振を決定付けたのは、車種の数が極端に少ないことだ。
トヨタは大規模メーカーで、国内で新車として売られる小型/普通車の50%以上を占めるが(レクサスを含む)、トヨタブランドの電気自動車はbZ4Xだけだ。ほかのメーカーも電気自動車に消極的で、乗用の量販車を用意していないメーカーも多い。これでは電気自動車を買いたいユーザーがいても、その希望に応えられず普及も進まない。
日本では総世帯数の約40%が集合住宅に住み、都市部では70〜80%に達する。電気自動車が普及しにくい環境だが、それ以上に車種の不足が普及を妨げている。