
この記事をまとめると
■ヨーロッパの伝統的なトラックカスタムが「ユーロアート」として日本に上陸
■インテリアをエアブラシで塗装するなどその名のとおり“アート”なカスタム
■デコトラはNGでもユーロアートは物流業界でも好印象⁉︎
ヨーロッパのデコトラカルチャーが日本に上陸
仕事で使うトラックに飾り(カスタムパーツ)を装着し、派手なペイントや電飾パーツなどで豪華に装飾する日本独特のカルチャー「デコトラ」。近年ではその文化が海を渡り、タイをはじめとする東南アジアで新たなムーブメントを生み出している。
また、遠くヨーロッパでも日本と同じく古くから独特のトラックカスタムが根付いており、それが巡り巡って日本に上陸。ボルボやスカニアといった欧州製トラックの日本での普及とともに、それらが「ユーロアート」と呼ばれる新たなカテゴリーとして流行している。
本サイトでも過去にカルチャーの本場、イタリアのミサノワールドサーキットで開催されたカスタムトラックのショーイベントに登場したユーロアートのトラックを紹介した。
今回はその続編として、同イベントに集まった百花繚乱のカスタムトラックのなかから、インテリアを豪華に飾り立てた傑作車を紹介しよう。
まずは、日本に輸入されておらず、車両自体がレアなルノーのトラック。インディアンをモチーフにしたキャビンのエアブラシペイントやステンレスパイプのカスタムパーツ、ルーフの牛の角(?)などエクステリアのカスタムも見事だが、内装もこれまた秀逸だ。
ブラックを基調にしたアートで、シートのベース部分やステアリングコラム、ハイルーフの収納部分など、樹脂パーツをエアブラシで塗装。オーバーヘッドコンソールはホワイトのレザーをキルティング仕上げにし、ボタン締めで高級感を演出している。LEDのマップランプを中央左右に配置した実用性の高さもポイントだ。
次はスカニアの車両。ホワイトの車体にカラフルなラインやパンチングで装飾したステンレスのフロントグリルが非常にクール。
インテリアはレッドでコーディネートしており、ドアトリムやステアリングコラム、オーバーヘッドコンソールは単にレッドでペイントするのではなく、ビールのラベルなどさまざまなパターンの模様を入れているのが面白い。
サイドバーやルーフハイバーなどのステンレスパイプ製アートパーツに無数のLEDマーカーを配置し、美しいナイトシーンを演出していたスカニアのトラクタ。
インテリアはホワイト一色のレザーでカスタマイズされ、グローブボックスやダッシュボード、オーバーヘッドコンソールにはボタン締めが施されている。エレガントでありながら幽玄な雰囲気を漂わせる室内空間に仕上がっていた。
キャビンとトレーラーボディ全体で「アラジン」の物語世界を表現していたスカニア。フロントウインドウからチラリと見える魔法のランプも楽しげな見た目にひと役買う。
内装はパープルのアルカンターラに樹脂部分をペイントすることで「アラジン」の世界観を表現する。ドア下のステップにも内装と同じカラーリングを施し、魔法のランプで装飾。細部のディティールまでこだわっている1台だ。多数のスピーカーをドアトリムに埋め込むなど、オーディオのカスタムにも注目だ。
ユーロアートが今後日本でも主流になる⁉︎
バンパーライトの標準装備により、国産トラックにもユーロアートのトレンドが浸透しつつある近年。旧来のデコトラのような”イカつさ”が薄れたこれらのカスタムスタイルは、荷主や納品先といったトラックドライバーのお得意先からも好印象をもたれているという。
国内ではボルボやスカニアが着実に台数を増やしているが、国産トラックをベースにしたユーロスタイルのカスタムも、本場欧州のスタイルを手本に今後さらに増えていくに違いない。