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たまーにホンダはやり過ぎちゃう……けどそこがまた魅力! エディックスとクロスロードという挑戦者魂の塊だけど失敗したクルマ (1/2ページ)

たまーにホンダはやり過ぎちゃう……けどそこがまた魅力! エディックスとクロスロードという挑戦者魂の塊だけど失敗したクルマ

この記事をまとめると

エディックスは6人乗り「3座×2列」の独創的パッケージを採用するも不発

■2代目クロスロードはスクエアで無骨なデザインのSUVだが当時のトレンド逆行で短命に

■どちらもホンダの個性を象徴しておりいまならむしろ評価される可能性が高いモデルだ

トガりすぎて1代限りで終了

 過去を振り返ることをよしとせず、常に革新的であろうとする傾向が強いホンダ車だが、あまりにも個性的、あるいは時代を先取りしすぎてユーザーがついてこられず、その代限りで終わってしまったモデルも少なからず見受けられる。

 そんなホンダ車のなかから今回は、エディックスと2代目クロスロードを紹介する。

エディックス(2004年7月7日正式発表)

 2000年10月に初代ストリーム、2001年4月に2代目ステップワゴン、同年12月にモビリオ、2003年10月に3代目オデッセイと、各モデルの好調なセールスに背中を押される形でミニバンラインアップの拡充と刷新を続けていった、2000年代前半のホンダ。そんななかでまったく新しいミッドサイズミニバンとして2004年7月にデビューしたのが「エディックス」だ。

 前述の初代ストリームと同様に、2000年9月に発売された7代目シビックと主要メカニズムの多くを共用していたが、デビュー当時でも驚きだったのは、そのパッケージングだ。なんと、中央席をロングスライド可能にした3座独立式シートを前後に配置する、3座×2列の6人乗りだったのである。

 とはいえ、これと同様のパッケージングには日産ティーノ、そして2代目フィアット・ムルティプラという先駆者がおり、いずれも1998年にデビューしていた。

 そのうち後者のムルティプラは、それは全長×全幅×全高=4005×1875×1670mm、ホイールベース2665mmというスクエアなフォルム以上に、そのあまりに個性的すぎる内外装デザインでも賛否両論を巻き起こす。その結果として、2004年のフェイスリフトで、ごく平凡なフロントマスクへの大幅な軌道修正を余儀なくされた。

 そんなムルティプラと同様のパッケージングを採用したエディックスは、全長×全幅×全高=4285×1795×1610mm(4WD車は1635mm)、ホイールベース2680mmと、ムルティプラより全長が長い一方で全幅が抑えられた、日本でも扱いやすいボディサイズ。デザインはよくも悪くも強烈な印象を残す前期型ムルティプラに対し、エディックスはホンダお得意のスポーティなスタイルを採用していた。

 しかし、3座独立式シートを前後に配置するというパッケージングは、必然的に各シートの幅が狭く、また左右席外側とドアパネルの空間も狭くなるため、乗員に対し左右方向に窮屈かつ不安な印象をどうしても与えてしまう。

 加えてエディックスの現役当時は、同じホンダのなかにもストリームという、スポーティかつデザインと居住性にも優れた、3列シートのミッドサイズミニバンが存在していた。

 エディックスの短い全長とワイドトレッドなフォルムは、ストリーム以上に乗り心地と操縦安定性のバランスに優れた走り味と、最小回転半径4.9〜5.2mという小まわり性能のよさをもたらしていたのだが、そうしたメリットを打ち消してあまりあるほど、ストリームを選ばずにあえてエディックスを選ぶ必然性に乏しかったのである。

 2006年のマイナーチェンジでは、エクステリアをよりスポーティなものに変化させるとともに、設定エンジンをD17A(1.7リッター直4SOHC)およびK20A(2リッター直4DOHC)から、K20AとK24A(2.4リッター直4DOHC)に上級移行。さらに、K24Aを搭載する「24S」グレードにはドライブ・バイ・ワイヤやダウン量10mmのローダウンサスペンションを採用して、スポーティなイメージを強化した。しかし、それがかえってさらなる販売低迷を招く結果となり、2009年8月に販売を終了している。

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