
この記事をまとめると
■ジャカルタ市内中心部の交差点でどんな車種が通るのかを定点観測
■2025年は全体的に中国系のBEVが目立っていた
■改良型bZ4Xが発表されて2026年はbZ4Xが一気に普及する可能性も
ジャカルタで毎年恒例の定点観測を実施
インドネシアの首都ジャカルタ近郊で開催される「GIIAS(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)」取材のために、毎年7月もしくは8月にジャカルタを訪れている。そして、取材も終わりそろそろ帰国というタイミングで毎回行っているのが、ジャカルタ市内中心部の交差点において、そこにやってくるクルマにはどんな車種があるのかを見極める定点観測である。
2025年について、全体の印象としては、2024年に比べるとおもに中国系とはなるが、BEVが目立っていたことがまず挙げられる。とくに目立ったのが中国BYDオート(比亜迪汽車/デンザブランドも含んで)のBEVであった。
BYD以外の中国系ブランドはインドネシアにおいてBEV以外にICE(内燃機関)車もラインアップしているケースがほとんど。BEVのみとなるBYDとICEも加算されるほかのブランドでの、2024暦年締めブランド別新車販売台数をみると、BYDは1万6669台となり、中国系トップでICE車もラインアップするウーリン(上海通用五菱汽車)の2万1923台に対して6000台ほど少ないだけなので、中国系BEVではBYDはがインドネシアNo.1となる。ちなみにインドネシア国内での2024暦年締めブランド別年間新車販売台数トップは28万8982台を販売したトヨタとなっている(日本車全体の販売シェアは全体の9割弱)。
定点観測決行日は結構暑かったこともあり、1時間ほどと短い定点観測となってしまったが、筆者の前を通ったBYD車は「シーライオン7」「シール」「M6」の3車種にほぼ占められていた。これはジャカルタ近郊のBYDディーラーへ行ったときにスタッフに聞いた売れ筋モデルトップ3と合致している。
インドネシアではBEVとなるシーライオン7しかラインアップしていないが、PHEV(プラグインハイブリッド)となるシーライオン6もラインアップするタイの首都バンコクを訪れると、シーライオンシリーズが大ヒットしていた(筆者の定点観測ではシーライオン6が多かった)。インドネシアでもシーライオン7がヒットと呼べるほど走っていた。
さらに、インドネシアでは3列シートをもつMPV(多目的車)のM6の人気が著しく高い。3世代同居も当たり前なので自家用ニーズも高いのだが、社用車やライドシェア車両としてのニーズも多くなっているようである。