
この記事をまとめると
■現在販売されているシボレー・コルベットは第8世代のモデルだ
■通常モデルのほかにZ06やE-RAYといった魅力的なモデルが存在する
■1000馬力オーバーとなるZR1Xなる最新モデルも発表された
第4のコルベット現る
1953年に誕生した初代モデルから数えて第8世代となる、現行型のシボレー・コルベット(C8)がデビューしたのは2020年のことだった。それまでのフロントエンジンから、さらに魅力的な運動性能を実現するために新たにミッドシップの基本設計を採用するに至ったC8には、デビュー時からアメリカのみならず、世界中のスーパーカーエンスージアストからの熱い視線が注がれてきた。
そして、その期待に呼応するかのように、シボレーはこれまでさまざまなニューモデルを、コルベットのラインアップに追加してきた。2022年には新たに開発された5.5リッターのV型8気筒DOHCエンジンを670馬力の最高出力で搭載した「Z06」を発表。スタンダードなコルベットに搭載される6.2リッターのV型8気筒OHVエンジンは、それでも502馬力という魅力的な最高出力をスペックシートに掲げていたが、それからさらに168馬力のエクストラを得たZ06が実現した走りは、まさに圧巻とも評すべきものだった。
だが、C8の進化はこれでは終わらなかった。2024年にはコルベットとして初となるハイブリッドシステムを採用した「E-RAY」が登場。パワーユニットの核となるのは、やはり502馬力の6.2リッターのV型8気筒OHVエンジンだが、フロントアクスルにさらに162馬力の最高出力を発揮するエレクトリックモーターを搭載することでAWDの駆動方式を実現。走行時に体感できるスタビリティを大幅に高めるとともに、エンジンを始動させずにFWDのゼロエミッション走行を可能としたことなど、現代のスーパースポーツに強く求められる環境性能に対してもシボレーはじつに積極的な取り組みを見せた。
そして2025年にはZ06のパワーユニットをツインターボ化することで、1064馬力という驚異的な最高出力を得た「ZR1」もコルベットのラインアップに加わる。
これまでのコルベットのヒストリーを振り返れば、それをC8の究極形と考えるのは自然な成り行きだったはずだが、シボレーはこれまでの常識を覆す、さらに高性能なモデルをC8のラインアップに追加するプランを用意していた。それがここで紹介する、ZR1をベースにE-RAYと同様のハイブリッドシステムを搭載して誕生した「ZR1X」だ。