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新型日産ルークスのデザイン「かどまる四角」ってなんだ? デザイナーに直撃インタビュー! (1/2ページ)

新型日産ルークスのデザイン「かどまる四角」ってなんだ? デザイナーに直撃インタビュー!

この記事をまとめると

■日産新型ルークスのデザイン担当者にこだわりを直撃

■「かどまる四角」をテーマとしている

日産が70年以上こだわる日本の美意識を受け継いだ1台になっている

日産ルークスに秘められたデザインの秘密

 8月22日に先行公開された日産の新型ルークスが大きな話題になっています。とくに、従来の日産車とはイメージの異なるスタイリングへの反響は大きく、「超カッコいい」「キューブみたい」など多くの感想が聞かれます。そこで、新型のデザインを統括した、グローバルデザイン本部 第二プロダクトデザイン部 プログラムデザインダイレクターの入江慎一郎さんに、あらためてスタイリングの意図を聞いてみました。

●デザインフィロソフィをアップデートする

──では最初に、新型のデザインテーマと、現在の日産のデザインフィロソフィである「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」との関係を教えてください

「『タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム』はアリア以降、公式に掲げているフィロソフィですが、日産は以前からメモラブルで記号性の強いデザインを行ってきました。新しいルークスも『かどまる四角』をテーマにシンプルで強いアイコンを意識しましたが、これはそのままタイムレスで日本的な美意識を反映し、かつモダナイズされたものとして日産らしさを出しているんですね」

──新型はネーミングの由来である「Roomy×Max」により、軽規格のなかで最大限の大きさを狙ったとしますが、「かどまる四角」より直線的なほうが大きく見えませんか?

「たしかに直線的な『角』のほうが物理的な大きさを感じそうですが、じつは丸くすることでより大きく感じる効果があるんです。たとえば、ナナメ前から見るとヘッドライトがサイド側に回り込んでいるように見えますが、直線的な角だとそこでグラフィックが終わってしまい、次へつながる曖昧さがなくなってしまう。『かどまる四角』は体積自体は減っても、視覚的に大きさを感じる手法なんです。ちなみに、テールランプは外形を丸めてしまうと、なかのランプが内側に寄ってしまうので、そこだけは意識的にエッジを付けているんですよ」

──先代までのようなVモーショングリルが新型には見られませんが、日産車としてそこは約束事ではないということでしょうか?

「そこはよくご質問いただく部分ですが(笑)、今回はあからさまに強調しなかったということですね。新型のグリルは下部をナナメにカットしているので、じつは大きなV字表現ではあるのですが、やはりトレンドに合わせてアップデートしないとすぐに古さが出てしまうんです。そこはいわゆるハイブランドメーカーの考え方と違うところですね」

──サイドから見ると、テールランプ下端部分であたかもボディが上下2段構造になっていように見えます。これはボディ色のリヤピラーを残したことも影響していると思えますが、意図的なものなのでしょうか?

「はい、ここは今回打ち出した『唐破風(からはふ)』による2トーンカラーを反映した部分ですが、ふたつの理由から骨格を上下で分けて考えました。ひとつは印象的な色わけでインパクトを与えたかった。軽には軽独自のデザインがあるわけで、特徴的なキャラクターを与えることで日産の軽自動車の存在感を高めたかったと。もうひとつは、車体全体のタテヨコ比を変えることです。スーパーハイトワゴンとして当然タテ長に見えるところ、よりスタンスよくワイドに見せたい。そこで視覚的効果で重心を下げる効果を狙っています。リヤピラーをブラックで抜かなかったのも、ボディがリヤでブレークせず、強い骨格を感じさせるためですね」

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