
この記事をまとめると
■スーパーカーを手掛けるメーカーから相次いでSUVが登場している
■大きな転機となったのはポルシェから登場した初代カイエンだ
■スーパーカーブランドの名に恥じないハイパフォーマンスモデルとなっている
スーパーカーメーカーが手掛ける個性派SUVたち
スーパースポーツカーメーカーからSUVが登場することなど、かつては想像することさえできなかっただろう。ちなみにSUVとはスポーツ・ユーティリティ・ビークルの略であるが、SUVにおけるスポーツとは、走りそのものを楽しむという意味ではなく、それによってアウトドアのスポーツレジャーも楽しめる機能性をもつということを表していた。スーパースポーツカーメーカーにとってSUVは、かつてはまったく無縁の存在であったのだ。
だが1990年代にSUVの人気が高まり、市場でより高級でかつ高性能なSUVが求められるようになると、SUVの存在はスーパースポーツカーメーカーにとっても見逃せないものとなっていく。最初にその動向に注目したのはポルシェで、2002年に発表された「カイエン」は、5ドアボディを採用したことによる実用性に加え、それまでのポルシェと変わることのないスポーティな走りが実現されていたことで、カスタマーから高い支持を得たのだった。
ちなみにカイエンは現在まで3世代にわたって進化を続けているが、その圧倒的な人気は2013年によりコンパクトな「マカン」が生み出される追い風ともなった。
このポルシェ・カイエンの成功は、当然のことながらほかのスーパースポーツカーやラグジュアリーカーを生産するメーカーにも魅力的なものに映ったのだろう。2010年代を迎えるとさまざまなSUVが、彼らのもとから誕生していくようになる。2016年にはマセラティから2011年に発表されていたコンセプトカーの「クバング」の生産型となる「レヴァンテ」が登場。
当時のマセラティはフェラーリと密接な関係にあったこともあり、近い将来フェラーリもSUVに参入するのか、あるいはSUVの市場はマセラティに委ねるのかどうかも大きな話題になった。
ちなみにマセラティは2022年にはさらに小型なサイズをもつ「グレカーレ」をSUVのラインアップに追加。SUVが重要な商品であることを改めてアピールしてみせた。