
この記事をまとめると
■最大積載量350kgの軽バンにフル積載でして配送に挑戦
■発進時の登坂は思った以上に加速してくれたが減速には大苦戦した
■軽バンに最大積載量の荷物を積み込んでの配送は命がけだった
軽バンの最大積載量MAXで走ってみたら……
軽バンなくして宅配業務は成り立たないのは誰もが知っているとおり。日夜走りまわっている軽バンの多くは後部にたくさんの荷物を積んでいる。手際よく荷物を選び出している配送スタッフの姿を見かける人も多いだろう。
そんな軽バンは、小まわりが利くコンパクトなボディと多くの荷物が積めることから、非常に便利なのだが、荷室に積める荷物は最大で350kgだ。ではこの350kgとは具体的にどれくらいの量で、最大積載量まで積んだ場合、どうなるかを実体験からお伝えしようと思う。
まず今回使う車両だが、レンタカーの日産クリッパーバンだ。それもまだ走行距離が123kmというバリバリの新車。最大積載量のテストには最適な車両といえる。
ではさっそく350kgを積み込んでいく。今回のブツは「紙」だ。筆者が毎年趣味の配送と称して手伝っているフリーペーパー配送。今年で3回目を迎えるので、かなり手際はよくなった。
配達における「紙類」は重量物の代表格であり、フォークマンやほかのトラックドライバーからすれば、重労働以外の何物でもない。このあたりの話は別の記事で紹介するが、とにかく今回は350kgを積むと軽バンはどうなるのかという部分に焦点を当ててみた。
幸いなことに、積載する荷物の重さは非常に簡単に計算ができる。体重計で計測したところ、一束が3.65kgだった。そして1パレットに積まれているのは132束。そのため1パレットに乗せられている荷物を全部積みこむと481.8kgとなる。
この時点で131.8kgの重量オーバーの過積載だ。ここから350kgに合わせるには電卓をたたいた結果、95束が限界値だとわかる。
そして、350kgを積み込んだ結果、クリッパーの外見はあまり変わらなかった。最大積載量を積めば車高もかなり落ちるのでは? と想像していたが、実際はそれほどでもなかった。よく見るとリヤタイヤが若干つぶれている程度で、いたって普通だった。
しかし、いざ乗り込んで発進しようとした瞬間「重いっ!」というのがわかった。空荷のときとは明らかに違う重量感。とはいっても、アクセルを踏んでも進まないということではなく、ゼロ発進時のエンジン回転数が若干上がったかな、というくらいだった。