
この記事をまとめると
■東京都港区に「物流博物館」という施設がある
■日本通運が平成10年から運営している施設だ
■物流の歴史がわかりやすくまとめられている
物流博物館ってなんだ!?
日本にある博物館の数は5700館以上ともいわれているが、そのなかには恐ろしくニッチなジャンルを扱う博物館も少なくない。そして今回、筆者が見つけたマニアックすぎる場所、それが「物流博物館」だ。
まず、その名前を聞いただけでは、何が展示してあって、どんな人が訪れるのかもわからないという不思議さ。そして、今まで存在すら聞いたこともなかった謎めいたところに惹かれ、さっそく向かったのは東京都港区だ。
まずこの博物館のびっくりポイントだが、その立地条件がとんでもない場所にあることだろう。品川駅から徒歩7分、まわりは閑静な高級住宅街のなかにあり、品川プリンスホテルを背にしてひっそりと佇むその外観は、ぜんぜん博物館に見えない!
しかし、近寄ってみると正面玄関の上部には確かに物流博物館の文字が刻まれていた。まあ、その横にある立て看板には大きく物流博物館と書かれているので、迷うことはないのだが。
では館内のリポートの前に物流博物館の概要について簡単に説明しておこう。
物流博物館は昭和33年、日本通運株式会社本社内に創設された「通運史料室」 がルーツだ。当初は、同社に関わりのある近世及び近代初期の交通・運輸の概要を展示していたが、日通本社の移転などを経て、平成10年には物流を社会にアピールすることを目的に誕生したのがこの施設というわけだ。
そしていざ入館。入口で入場料200円を支払うと最初に出迎えてくれるのが物流の歴史を勉強できるエリアだ。パネル、イラスト、年表、写真、昭和初期に使われた道具などが展示され、江戸時代から明治、昭和と流れを追って物流の変遷を知ることができる。
なかでも入口から入ってすぐに常設してある、江戸時代の宿場を再現したミニチュアがもう面白い。非常に小さな人形はどれも表情が豊かで、宿場で何が起きているのかを説明しているのだ。
さらにその先に進めば、今度は時代別に物流業界の姿を見ることができる。とくに輸送手段の変化や荷役作業の移り変わりは写真と資料で構成され、非常にわかりやすく勉強になった。