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アメリカからアメ車ブランドのセダンが消えた! アメ車に乗りたくてアメリカに行けどもアメ車のレンタカーが借りられない現状 (1/2ページ)

アメリカからアメ車ブランドのセダンが消えた! アメ車に乗りたくてアメリカに行けどもアメ車のレンタカーが借りられない現状

この記事をまとめると

■アメリカのレンタカーからアメ車が消えはじめている

■SUV人気と燃費志向の高まりでセダンがレンタカー市場からも姿を消しつつある

■アメリカンブランドはSUVとBEVに注力しFFセダンは絶滅しつつある

アメリカのレンタカーは日本車・韓国車が主流になりつつある

 2025年9月末から2週間ほど南カリフォルニアに滞在したのだが、その間の移動では2台のクルマを乗り継ぎ、そのうちの1台がシボレー・マリブであった。筆者は某大手レンタカー会社の会員になっており、その会員ステータスだと決められた駐車ロットに停めてあるクルマのなかから好きなものを選ぶことができることになっている。ロットからは勝手にレンタカーを乗り出し、出口ゲートで手続きをする仕組みで、予約した車種クラスと違うと料金もしっかり別となる仕組みだ。

 ロサンゼルス空港近くの大きな営業所内の決められたロットへ行くと、ありとあらゆる車種クラスが日産車ばかりとなっていた。ほかには韓国系ブランドと、唯一アメリカンブランドのコンパクトSUVがあったのだが、いずれもGMコリア(韓国)製モデルなので途方に暮れていると、レンタカー会社の女性スタッフが声をかけてくれた。

「純粋なアメリカンブランド車を運転したい」と伝えると、「アメリカ車に乗りたい」というのが心に響いたのか、端末で一生懸命探してくれた。そのとき韓国の起亜ブランドのセダンが新たにロットにやってきたので、「あれはアメリカ車じゃないの」と軽くボケのようなものをかまされたのだが、周囲にいた同僚もそれを見て爆笑していた。その後、指定ロット以外の場所まで見に行ってくれて探してくれたのが今回のシボレー・マリブであった。

 新型コロナウイルス感染拡大の期間を空け、ひさかたぶりにアメリカを訪れるようになると、筆者の利用するレンタカー会社ではセダンというとマリブばかりとなっていた。トヨタ・カムリと同じサイズとなるのがマリブ。南カリフォルニアはとくにひどいのだが、ガソリンの高値安定が続いており、燃費性能のいいトヨタ・カローラクラスのセダンは、半導体不足などによる生産遅延も重なったためか、一般小売を最優先に配車されたようでレンタカーにはほとんどまわってきていなかった。

 いまも程度の差こそあれどそのような傾向が続き、料金もマリブクラスより高い状況が続いている。マリブは半導体不足のときも、衝突被害軽減ブレーキなどの装備を省き、量産を続けることを優先させて出荷していた。それもあって、マリブも含め一時的にアメリカンブランド(フォードなども市場供給を優先し半導体が必要な一部装備を装着せず出荷していた)ばかりがレンタカーとして用意されていた。

 コロナ禍以降は筆者の「南カリフォルニアの足」となっていたマリブだが、残念なことに2025年モデルで終売となってしまった。調べてみるとダッジブランドでラインアップされていたFRセダンとなるチャージャー(現状では2ドアクーペになっている)もすでに終売となっているので、アメリカンブランドでセダンをラインアップしているのはキャデラックのみとなり、FFを採用するセダンはアメリカンブランドから消えたことになる。

 アメリカでも日本を始め世界的に共通ともいえるのだが、クロスオーバーSUVの人気が高まって久しい。アメリカにおいては、トヨタやレクサス、ホンダ、日産といった日系や韓国系、欧州系が引き続きセダンをラインアップしており、マリブがここのところレンタカー専用車のような位置づけとなっていることからも、アメリカンブランドとしては車種整理を進め、クロスオーバーSUVの拡充や、BEV開発に重点を置きたいということもあるのかもしれない。つまり、「セダン系はアメリカンブランド以外に任せた」といった雰囲気のように筆者は感じている。

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