
この記事をまとめると
■フェラーリは史上初のBEVモデルとなる「エレットリカ」の一部仕様を発表した
■車名は正式決定ではないが2026年にはインテリアとエクステリアが公開される予定だ
■60件超えの特許技術も申請されたエレットリカの完成度には大きな期待がもてるだろう
フェラーリから完全EVモデルの登場が秒読み段階へ
フェラーリは、10月9日に開催された投資家向けイベント、「キャピタル・マーケット・デイ」において、かねてから予告していたフル電動モデル(BEV)の一部仕様を発表した。
今回「エレットリカ」という、シンプルでかつインパクトのあるネーミングとともに公開されたのは、量産仕様とされるシャシーと電動パワートレイン技術などで、フェラーリによれば来年早々にはそのインテリアが、また春にはエクステリアのデザインを含めた全容が明らかにされる予定だという。ちなみにエレットリカという車名は、まだ正式に決定されたものではないと説明されている。
エレットリカはフェラーリ史上初となるBEVだが、同社の電動化技術に対する取り組みは2010年には早くも始まっていた。その前年に、スクーデリア・フェラーリからF1GPに投じられた「F60」に採用されたKERS(運動エネルギー回生システム)を、599GTBフィオラノに搭載した実験車の「599HY-KERS」に始まり、その後はHVの「ラ・フェラーリ」、PHEVの「SF90ストラダーレ」、「296GTB」、そして「849テスタロッサ」などの各シリーズが続々と誕生。ラ・フェラーリに続く最新のスペチアーレ「F80」も、またHVのシステムをもっている。
フェラーリがエレットリカの開発に掲げた戦略は、これらのモデルと一切変わらなかった。それは「フェラーリの価値観にふさわしい、卓越したパフォーマンスと真のドライビング・エクスペリエンスを実現できる技術が確立された段階でのみ、そのモデルを世に送り出す」というもの。開発の過程では、60件を超える特許技術も申請されたというエレットリカの完成度にはきわめて大きな期待がもてる。