
この記事をまとめると
■衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能ではスバルのアイサイトの評価が高い
■クロストレックS:HEVに搭載されるアイサイトXは渋滞時に手放し運転が可能だ
■燃費もほぼカタログ値どおりの水準を維持するので価格や機能を考えるとお買い得だ
改めてクロストレックS:HEVに乗ってみた
以前の新車を買うメリットは、優れた加速性能や広い室内を得られることだった。しかしこれらの機能は、今では十分な水準に達して、新型車になっても大きな変化はない。
その一方で、比較的新しい技術とされる衝突被害軽減ブレーキを中心とした安全装備、ドライバーの疲労を軽減する運転支援機能は、急速に進化している。
クルマのもっとも大きな欠点は、今も昔も交通事故だ。歩行者保護も含めて安全装備の進化は大切で、ドライバーの疲労を抑える運転支援機能も安全性の向上に役立つ。なので、安全装備や運転支援機能はなるべく充実させたい。日産は2028年3月までに発売するとしている次期エルグランドに、次世代プロパイロットを搭載する予定だ。
そして衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能では、スバルのアイサイトが高い認知度を得ている。そこでスバルクロストレック・プレミアムS:HEV(EX)を改めて試乗した。次世代プロパイロットと比べて、どのような性能を発揮するのか。
アイサイトXは、アイサイトの運転支援機能をさらに高める装備だ。たとえば自動車専用道路で渋滞に遭遇して、時速50km以下になると、ステアリングホイールから手を離しても制御が続く。自動運転ではなく運転支援の一種だが、ステアリングとペダル操作が大幅に軽減され、ドライバーの疲労も抑えられて一層の安全運転が可能になる。渋滞時以外でも、カーブやETCゲートの手前で減速するなど、実際の走行に適した安全な制御が行われる。
高速道路上で作動を試すと、アイサイトを使いながら時速60km以上で走行しているときは、メーター内部のインジケーターは緑色だ。この状態では、運転支援機能は作動しているが、ステアリングホイールを保持する必要がある。
次第に速度が下がり、時速50km以下(メーターでは時速約55km以下)になると、インジケーターが青色に変わってステアリングホイールから手を離すことも可能になった。
アイサイトXが作動中、前方の車両が車線を変えようとして速度を下げた。このときにはクロストレックもアイサイトXの制御で減速して、なおかつ前方の車線変更をする車両を避けるため、ステアリングの操作も行った。
