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V12かV8か……そして電動へ! フェラーリの歴代フラッグシップの「パワーユニット」を辿る (2/2ページ)

V12かV8か……そして電動へ! フェラーリの歴代フラッグシップの「パワーユニット」を辿る

この記事をまとめると

フェラーリのフラッグシップは昔からV12エンジン搭載がお約束だった

■時代が進むにつれてV8エンジンでもフラッグシップに準ずるモデルを展開してきた

■最近ではモーターなども取り入れ電動化も進めてきている

フェラーリのフラッグシップとは

 今回は、フェラーリのフラッグシップモデルの話をしよう。ちなみにフラッグシップとは、そのメーカーやブランドのなかで最高級に位置づけられるものを意味する言葉。自動車、とりわけスポーツカーの世界においては、それは最高の性能をもつものと定義してもよいだろう。

 ならばフェラーリのフラッグシップは、創業以来の伝統であるV型12気筒エンジンを搭載するモデルであると考えるのが自然だ。実際にフェラーリがV型12気筒エンジンを搭載しないロードカーを発表したのは、1967年に誕生したV型6気筒の「ディーノ206GT」が最初のことで、その後1973年にはV型8気筒の「ディーノ308GT4」が、また1975年には「308GTB」が登場している。この時代のV型12気筒モデルは「365GTB4BB」に始まる一連のBBシリーズで、ここには確たるヒエラルキーが存在した。

 だが1984年になるとここに変化が表れる。フェラーリはこの年に限定車の「GTO(288GTO)」をリリース。このGTOには2855ccのV型8気筒ツインターボエンジンが400馬力の最高出力で搭載され、最高速では305km/hを主張したのだ。一方、このGTOから約半年遅れて登場した「テスタロッサ」は、4943ccのV型12気筒自然吸気エンジンで390馬力を発揮。最高速は300km/hとされたから、シンプルに比較するのなら、GTOが生産されていた1984年と1985年に限っては、フェラーリのフラッグシップはV型8気筒モデルのGTOであったということになる。

 そして1987年になると、さらにフェラーリは高性能なV型8気筒モデルを発表する。同社の創立40周年を記念して企画された「F40」がそれで、こちらも限定車というコンセプトはGTOと変わらなかったが、生産は1992年まで続けられ、2936ccのV型8気筒ツインターボエンジンの478馬力という最高出力や324km/hの最高速は、テスタロッサはもちろんのこと、そのマイナーチェンジ版である1991年デビューの「512TR」のそれをも超越していた。

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