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9月は新車が売れる月……は過去の話! 最近1年を通じて新車販売台数が平準化しているワケ (2/2ページ)

9月は新車が売れる月……は過去の話! 最近1年を通じて新車販売台数が平準化しているワケ

この記事をまとめると

■新車販売市場における9月は1年のうちで2番目の販売台数を数える時期だ

■最近では値引きなども控えめなことから増販期がなくなりつつある

■軽自動車の分野ではスズキとダイハツが1位を競っている状況だ

新車市場では増販期が消えつつある

 9月は事業年度締め(4月から翌年3月)での上半期末となり、事業年度末となる3月に次ぐ新車販売台数を叩き出すとされていた。登録車を取りまとめる自販連(日本自動車協会連合会)、そして軽自動車を取りまとめる全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が毎月まとめている、2025年9月単月の新車販売台数統計をみてもそれが伝わってくる。

 実際に数字を見ると、2025年9月単月の登録乗用車販売台数は22万9510台(前年同期比95.5%)、軽四輪乗用車の販売台数が12万7951台(前年同期比101.7%)となっているからだ。とはいえ、軽四輪乗用車はともかく、登録乗用車は若干とはいうものの前年割れしていた。

 最近販売現場へ出かけると結構な頻度で筆者が聞くのが、年度末など増販期とそうではない月で販売台数に波があるかということである。いままでは年度末、夏商戦(過去には夏のボーナス商戦)、事業年度締め上半期末、秋商戦、冬商戦(冬のボーナス商戦)が増販期と呼ばれていた。この増販期に入らないのが1月、4月、8月となり、増販月とそうではない月の月別販売台数を折れ線グラフにすると、デコボコが激しかったのだが、いまではこれがかなり平準傾向にあるというのである。

 その最大の原因は、だいぶ改善傾向にあるとはいえ、国内販売最大シェアを誇るトヨタにおいて、納期が読みにくい状況が続いていることが挙げられる。そうはいっても、トヨタで目立った一時期の年単位での納車待ちはごく一部となっており、そもそも在庫をもたない販売を心がけていたので、他メーカーより納期がかかる傾向になっていたのが、一時的に深刻なものとなっただけともいえる。

 なので、以前と比較すると現在の納期はかなり改善されているのだが、今度は新規受注停止の頻発というのが新たにクローズアップされている。ちなみに、トヨタ以外のメーカーであっても、働き方改革や働き手不足により、「増販期だから気合い入れて頑張ろう」ということもなかなか表立ってはできないようである。

 就労環境が仕事量に左右されず、平準化を目指す世のなかとなったこともあり、増販期とはいえ製造、陸送、販売現場での納車前の最終検査などで無理が利かなくなってきた(残業がなかなかできない)ことも、新車販売台数の平準化が進んできた背景と考えられる。もちろん月別で台数差はあるのだが、そのデコボコは以前に比べればだいぶ高低差なしとなってきている印象だ。

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