
この記事をまとめると
■エアバッグは運転席・助手席だけでなく全身保護へと進化を遂げた
■後突対策や歩行者保護など多彩な展開方式が開発されている
■二輪車用エアバッグも普及が進むなど安全技術は進んでいる
エアバッグにはさまざまな種類が増えつづけている
交通事故で乗員に強い衝撃が加わった際に、クッションとなって乗員を受け止め、ダメージを最小限に軽減するための装置がエアバッグ。日本では1987年に発売されたホンダ・レジェンドが最初にオプション装備として搭載し、その後は高級セダンを中心に標準装備化が進んできました。
意外なことに、日本では車両にエアバッグ搭載を義務付ける法律はないのですが、それでも交通事故による死傷者ゼロを目指すためには欠かせない安全装置であることから、各メーカーは研究を重ねてどんどん進化させてきました。
それでもまだ、多くの人は「エアバッグ」と聞くと運転席・助手席に前から飛び出してくるものというイメージをもっていると思います。ちょっと詳しい人なら、側面衝突などの際に乗員の脇腹や胸部を保護するため、ドア側に内蔵されているサイドエアバッグや、側面衝突や横転時に頭部を保護するために窓側の天井付近に内蔵されている、サイドカーテンエアバッグは知っているかもしれないですね。
でも、最近のエアバッグはもっともっと細分化されています。まずは、助手席の座面に内蔵されている「シートクッションエアバッグ」。これは衝突時に座面のなかで膨らみ、乗員の大腿部を支えることで衝撃によって前方にずり落ちてしまうのを防ぎ、より安全性の高い姿勢に保つためのものです。同じように乗員の下肢を支えることで安全な姿勢を保つための「ニーエアバッグ」もインパネの下部に内蔵されています。
続いてシートの背もたれから膨らむことで、となりに座っている人との衝突から保護するための「センターエアバッグ(ファーサイドエアバッグ)」があります。となりに座る人がいない場合でも、反対側のドアや内張りとの衝突から保護してくれます。
