
この記事をまとめると
■2028年のロサンゼルスオリンピックでは大会関係者の輸送にBEVバスが使用される
■LAオリンピックで使用されるバスは現在導入が進んでいるBEVスクールバスを予定
■とはいえLAを走る路線バスのほとんどはいまだにICE(内燃機関)バスばかりだ
EVスクールバスを選手輸送に使用予定のLAオリンピック
2025年9月29日、カレン・バス ロサンゼルス市長は記者会見を開き、ロサンゼルス市、LA28(ロサンゼルスオリンピック組織委員会)、そしてBEV(バッテリー電気自動車)バスメーカーの3組織が、2028年開催予定のロサンゼルス夏季オリンピック大会において、選手を含む大会関係者の輸送に500台のBEVバスを使うことを発表した。
たまたま現地でその報道を見たのだが、会見ステージの背後にはアメリカでは黄色地に黒いストライプの車体となるBEVスクールバスがずらりと並んでいた。
ロサンゼルス市ではすでにBEVスクールバスの導入が進んでおり、このまま普及を進めて2028年のオリンピック開催時には500台のBEVスクールバスを大会関係者輸送に使うということであった(開催期間中がちょうど学校が夏休みということもある?)。
路線バスや地下鉄といった公共交通機関がもちろん整備されているものの、通勤や買い物など日々の移動ではマイカーが必需品となっているのがロサンゼルス地域。リモートワークの普及もあり、朝の通勤ラッシュでは一部を除けば以前ほど激しい渋滞は目立たなくなってきているようにも見えるのだが、午後3時を過ぎると帰宅ラッシュの車両も加わりはじめ、ロサンゼルス地域のフリーウェイではあちこちで渋滞が目立ってきて移動時間がかなり読みにくくなってしまうのである。とにかくクルマが多い、それが筆者が頻繁にロサンゼルス地域を訪れていつも感じることである。
そのロサンゼルスで2028年に1932年、1984年に次いで3回目となるオリンピックが開催される。カレン・バス市長は「マイカーを使わないオリンピック」をすでに明言しており、いままで鉄道の乗り入れが行われていなかったロサンゼルス国際空港でもすでに近くまで延伸しているメトロ・レールが間もなく空港ターミナルまで乗り入れる予定となっており、「マイカーに頼らないオリンピック」開催へ向けさまざまな取り組みを行うひとつがこの500台のスクールバス活用となるようである。
