
この記事をまとめると
■ジャパンモビリティショー2025でトヨタが数多くのモビリティを発表した
■トヨタは人に寄り添う次世代モビリティとして「meシリーズ」を公開した
■meシリーズでは歩行支援から悪路走破までハンデの有無を超えた移動の自由を提案する
全人類が自由に動ける社会を目指したモビリティ
10月31日から一般公開が始まった「ジャパンモビリティショー2025」のトヨタのブースでは、ベーシックカーの「カローラ」が大変革を遂げた姿をあらわし、ハイエースは20年ぶりのモデルチェンジを計ろうとしていて大きな話題を呼んでいました。
その一方で、大メーカーだからこそできる貢献として、社会の抱える不自由や不平等をなくしていくための基礎研究にも取り組んでいて、ひとりひとりに寄り添っていけるコンパクトなモビリティでその成果を発表しています。ここでは身近さをあらわす「me」という単語が使われたシリーズに注目して紹介していきましょう。
【boost me】
この「boost me」は、セグゥエイなどの通称バランススクーターのデッキ部分に、スツールタイプのシートを装着したようなモビリティです。
腰をホールドしやすいように専用設計された座面と、それを支えるピボット付きのフレームによって、脚の機能にハンディキャップを持つ人が自由に走りまわれるようになることに加えて、ハンディキャップを持たない人もいっしょに同じ土俵でスポーツを楽しむことができるというものです。
展示の段階ではまだ重心移動での操縦が実現するレベルには達していないようですが、近い将来実現できるよう開発に取り組んでいるそうです。いつかオリンピックの競技に活用されるシーンが目に浮かびます。
【walk me】
この「walk me」は日常での歩行支援を目的に開発が進められているコンパクトなモビリティで、4本の脚で歩くことで、車輪で進むタイプでは通れないような段差の多い場所や階段などをその脚で乗り越えながら進むことができるように設計されています。
4本の脚は子どものそれを模しているかのような雰囲気で、人でいうヒザの部分に関節を設けることで可動範囲が格段にアップ。人の脚のような動きはもちろん、人の関節では不可能な曲げ方もできるので、ファンの羽根のような形で座ることや、路面の凸凹に応じて脚の曲げを変えて、安定して留まることなどもできるようです。
ヒジ元部分に装着されているジョイスティックで操作できるようになっているほか、遠隔での操作も想定しているようです。通信機能を使えば複数での行進も可能でしょう。
商用車の「カヨイバコ・コンセプト」の展示では、その機能を活かして運転席の代わりとして活用する提案も示していました。
屋外での移動だけでなく屋内で活用したり、アトラクションに組み込んだりと、用途の可能性はかなり多岐にわたるでしょう。
