
この記事をまとめると
■京浜工業地帯に点在する埠頭や人工島に足を運んでみた
■埠頭や人工島にはそれぞれに目的の違う建物や交通状況などが見られた
■表情豊かで非日常的な景色が広がる埠頭や人口島はドライブコースにもおすすめだ
普段気に留めることのない埠頭や人工島に違いはあるのか
なにげなく地図を眺めていてふと気になったことがある。それは「京浜工業地帯に点在する埠頭ってみんな風景は同じなのだろうか?」ということだ。これまでトラックや物流現場を見るために、いろいろな埠頭や港湾に出向いているが、埠頭や人工島ごとの違いを考えたことはなかった。
さらに各埠頭は、クルマでならそれほど時間をかけずに全部まわることができそうだ。すべての場所をひと筆書きで通過することはできないが、平和島、昭和島、京浜島、大井ふ頭、令和島、若洲という順番で巡ってみることにした。
まずは環状七号線から平和島へ向かってみた。平和島というと競艇のイメージがあるのだが、実際に訪れてみると、まさにザ・物流エリアといった雰囲気だった。巨大な物流センターが立ち並び、路肩にはさまざまなトラックが停車している。道幅も広く、どこかオフィス街的な雰囲気もある。
そして、建物の外にはほとんど人がいないというのが特徴的だった。もちろん物流センターの警備員やトラック内で待機している人はいるのだが、歩道を歩いている人をまったく見かけなった。もともと埠頭や港湾地域は人が少ないものだが、それにしても不思議な光景に思えた。
平和島をあとにして向かったのは隣接する「昭和島」だ。平和島から橋を一本渡れば到着するのだが、ここから一気に風景が寂しくなる。道幅は狭くなり、物流センターと小さなビルが立ち並ぶのが昭和島だ。海を挟んで対岸が平和島なので、そこから望む景色はどこか牧歌的でもある。昭和島に入るとトラックの交通量も一気に減る。島内には羽田鉄工団地が存在するが、そのエリアは関係者以外立ち入り禁止だ。
昭和島を通過したときに目についたのが道路に書かれた白線の枠だ。通常なら有料パーキングスペースだが、パーキングメーターやパーキングチケット販売機は見当たらなかった。つまり、このエリアでは路上駐車が前提で白線の枠内にクルマを停めておけるという意味なのだろう。予想以上に物静かな昭和島の次はとなりの京浜島に向かうことにする。
京浜島に渡って少し進むと、眼前に広がるのは羽田空港の雄大な景色だ。京浜島は羽田空港が目の前に位置するため、絶好のビュースポットとなっている。訪れたのは平日の昼間だったが、ここからの景色を写真に収めている人が何人もいた。京浜島に入って最初に思ったことは、大きなトラックやフルサイズダンプが多く、圧倒的な長さでありながら華麗に交差点を曲がっていくトレーラーも多い。これまでの平和島や昭和島では見られなかった光景だ。
さらに、鉄工所も多く、入口を外から見ただけでもその巨大な空間には圧倒されるばかりだった。静かなのに巨大なトラックが行き交うという不思議な島、それが「京浜島」だ。
京浜島で気になったのはミズノマリンという会社だ。調べたところによると、マリンエンジンの整備をする企業のようだが、津波救命艇シェルターなども扱っているようで、目の前が海というシチュエーションも手伝って、なぜかシェルターを見て納得してしまった。
