物流拠点の埠頭や人工島ってどんなとこ? 京浜工業地帯を巡ってみたらそれぞれカラーが違ってめちゃくちゃ面白かった (2/2ページ)

世界でも有数の規模を誇るコンテナターミナルがある大井ふ頭

 大井ふ頭に入ると、とにかくコンテナだらけになる。それもそのはず、「大井ふ頭」の正式名称は「大井コンテナふ頭」であり、東京港で最大のコンテナ埠頭なのだから。

 まず目につく範囲はほとんどコンテナ、もしくはコンテナトレーラーで埋め尽くされている。このエリアを走ると、一般車はトレーラーに飲み込まれてしまうかのような錯覚に陥るほどだ。他の島と違い、とにかくケタ違いに多いコンテナが積み重なっている光景は、まるで巨大な積み木を見上げているようだった。

 次なる島は「令和島」だ。じつは令和島に立ち寄る予定はなかったのだが、途中で「コンテナふ頭」という標識を見つけたので寄り道してみたのだ。東京湾最大の大井コンテナふ頭の隣にあるくらいだからどれほどコンテナがあるんだろうとワクワクしていったのだが、標識がある交差点を曲がってしばらくはきれいな道路が続いており、いきなりコンテナと積み降ろしをするガントリークレーンが現れるといった具合だった。

 令和島が誕生したのが2020年だというから、舗装のきれいさも納得だ。エリア自体はきれいだが、これから開発される区域も多いようなので、まだまだ発展途上の島といえる。

 そしていよいよゴール地点、若洲へと向かう。令和島から伸びるゲートブリッジを通過すれば、そこに見えるのは……なんとゴルフ場。そう、若洲ゴルフリンクスという名のゴルフコースが東京湾のど真ん中にあるのだ。主に都心からのアクセスのよさから非常に人気の高いコースで、予約するのも至難の業という名物コースである。

 ゲートブリッジを通過すると、すぐにボール除けの巨大なネットのトンネルをくぐるので、隣がゴルフ場だとすぐにわかる。ちなみに若洲ゴルフリンクスは、高度成長期の1965~1674年に家庭から排出されたゴミの埋め立て地であった場所を整備したのが始まりだ。

 この若洲が今回のゴールではあったのだが、じつは若洲の奥には木材埠頭と呼ばれるエリアがある。これまでは名前の通りコンテナが主役だったのだが、ここでは木材が多く鎮座している。ほかの埠頭や島と比較しても落ち着いた雰囲気がある。

 景観に目新しい部分はないものの、ここの特徴でもあるのが木の香りだ。普段はあまり嗅ぐ機会はないが、木材埠頭でクルマから降りると何とも言えない柔らかな木の香りが漂ってくる。これはかなりの癒し空間といえる。

 平和島からスタートした京浜工業地帯の埠頭と島の小旅行。それぞれの場所にそれぞれの表情があって、非常に面白かった。島や埠頭は立ち入り禁止区域も多いが、それ以上に道幅が広かったり、非日常的な景色が広がっていたりと、普段のドライブコースにぜひ加えても損はなしと思うのだが、いかがだろうか?


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