
この記事をまとめると
■スズキが提案する軽EV「Vision e-Sky」は日常に寄り添う存在として登場した
■柔らかさと浮遊感をテーマにEVらしさとスズキ独自の温かみを融合
■素材リサイクルやアニメーション照明など環境と感性の両立を追求するデザインだ
EVにもスズキ車らしいキャラクターを与えた
日産やホンダに続き、スズキからも軽EVの提案として出品された「Vision e-Sky」。通勤や買い物など、日々の生活に寄り添う存在を目指したという同車のデザインは何をテーマにしたのか? 今回は3名の担当デザイナー諸氏に会場でお話を聞いてみました。
──日常で気楽に使える軽のEVという企画ですが、ボディは軽というより比較的厚みのあるドッシリとした佇まいですね。
「はい。コンセプトは『ユニーク・スマート・ポジティブ』で、気楽に自由に使える存在でありつつ、デザインとしては四隅に踏ん張ったタイヤなどスタンスのよさを狙っています。また、EVのデザインには少し冷たいイメージがありますが、そこはスズキ車らしくキャラクターが立った存在を目指し、柔らかで親しみのある表現としました。(Vision e-Sky エクステリアデザイン担当 松浦漠さん、インテリアデザイン担当 佐々和希さん、CMFデザイン担当 鈴木千尋さん、以下同)」
──フロントフェイスには最近流行のピクセル表現が施されていますが、今回はどのような「顔」を目指しましたか?
「まず、前後ともシグネチャー的に3つのランプで構成し、パッと見て記憶に残る表情としました。ピクセルはEVのイメージですが、リヤピラーのグラフィックやインテリアのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)も同様のピクセル表現として全体のイメージを統一しています。また、新型EVとしてフロントのピクセルではアニメーション表現を使い、たとえば外からでも充電中であることがわかるような工夫をしました。」
──ロワバンパーには荒い粒子の素材が使われていますが、これはどのような狙いがありますか?
「これはスズキ車の使用済みバンパーを粉砕した素材を含ませたもので、軽EVとして環境面も意識した提案ですね。じつはインテリアでもシート表皮やトリム類、インパネのトレイにはペットボトルを粉砕した素材を使っていて、積極的にリサイクルに取り組んでいるんです。」
