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ロータス・エトナが世に出なかったのが悔やまれる! 幻に終わったエスプリの後継車計画とは (1/2ページ)

ロータス・エトナが世に出なかったのが悔やまれる! 幻に終わったエスプリの後継車計画とは

この記事をまとめると

ロータス・エスプリの後継車として「エトナ」というモデルが考案されていた

■世界の情勢不安や創業者の死によって計画は幻となった

■レストア後にオークションに出品されコレクターの間を流通するようになった

幻となったエスプリの後継車

 ロータスのヒストリーを振り返るなかで、大きな転機のひとつとして語られるのが、1976年にデビューを飾った「エスプリ」だ。その端整でかつ前衛的なボディデザインは、イタルデザインのジョルジョット・ジウジアーロによって描き出されたもの。

 まずはミッドに2リッターの直列4気筒エンジンを搭載してセールスを開始したエスプリは、スポーツカーファンの間ですぐに大きな話題を呼び、ロータスに新時代が到来したことを世界へと知らしめたのだ。

 エスプリはその後も進化を続け、最終的には3.5リッターのV型8気筒ツインターボエンジンを搭載する「V8」が2004年に生産を終了するまで、ロータスというブランドを象徴する存在であり続けた。

 だがその一方でロータスは、かなり早い段階からエスプリの後継車を意識し始めていた。ここで紹介するワンオフのコンセプトカーである「エトナ」は、エスプリに代わるモデル像を探るために製作されたものだ。

 1984年のブリティッシュ・インターナショナル・モーターショー(バーミンガムショー)で初披露されたエトナのボディは、エスプリと同様にジウジアーロの手によるもの。ただしエスプリは、その進化の過程において、ロータスのピーター・スティーブンスによるニューシェイプと呼ばれるボディに、さらにはジュリアン・トムソンがデザインを担当したニューシェイプ2ボディへと姿を変えていくから、実際に純粋なジウジアーロ・デザインといえるのは、1981年に登場した「S3」までということになる。このエトナのスタイリッシュな姿は、いかにもジウジアーロの作らしい、独特な感性と美意識に満ち溢れたものだった。

 ロータスはこのエトナのために、「タイプ909」と呼ばれる4リッターのV型8気筒エンジンを同時に開発。最高出力で335馬力、最大トルクでは400Nmを発揮したとされるこのタイプ909エンジンは2基が製作され、1基は実際にエトナのミッドに5速MTとの組み合わせで搭載され、もう1基はロータス自身によって保管されることになった。

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