
この記事をまとめると
■ラゲッジスペースは大容量だから使いやすいとは限らない
■開口部の高さ・段差・幅が積み降ろしのしやすさを決める
■バックドアの開き方やフロア素材にも思わぬ落とし穴がある
ラゲッジスペースで重要なのは積載容量だけではない
クルマを選ぶ際、普段から大きな荷物をいっぱい積む、アウトドアなどにグッズを満載して出かける、ベビーカーやペットカートを積む機会が多い……というような人は、クルマのデザイン、性能、乗降性、居住性、快適性、シートアレンジ性はもちろん、とくにラゲッジルームの使い勝手にこだわるはずだ。
ここでは荷物を積むうえで、使いやすいラゲッジムールとはどういうものかを紐解きたい。ポイントは、VDA方式などで示される容量だけにとらわれないことだ。
まず、スーツケース、アウトドアグッズや一体式のベビーカー、ペットカートなど、重い荷物の積載容易性として挙げられるのが、ラゲッジルームの開口部の高さだ。ステーションワゴンだと約620mm、SUVであれば約730mmが平均値。SUVよりワゴンのほうが低く、重い荷物の出し入れは圧倒的にラクになる。
しかし、ラゲッジルーム開口部の低さだけに注目すれば、ミニバンが優位になる。たとえばMクラスボックス型ミニバンの例を挙げれば、ステップワゴン530mm、ノア&ヴォクシー500mm、セレナ520mmと、SUV、ステーションワゴンと比較すれば圧倒的に低い。Sクラスのミニバンになればさらに低くなり、フリード460mm(クロスターの2列シートは320mm!)、シエンタ505mm(2列シートは565mm)だ。
そして、ラゲッジルームの開口部の低さとともに重要なのが、開口部に大きな段差がないこと。セダンのトランクだと開口部からフロアまでの段差(深さ)が大きく、重い荷物を出し入れする際、荷物を引っ張り上げる、引っ張り出す作業が大変になる。
スーツケースのような重い荷物も、開口部に段差がなければサッと積み込めて、スルスルと引っ張り出すことができるからラクラクだ。
