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ホントにこれ同じゲームかよ……没入感がヤバイ! HRCが作った本物のフォーミュラカーを使ったレースシム筐体が衝撃だった (2/2ページ)

ホントにこれ同じゲームかよ……没入感がヤバイ! HRCが作った本物のフォーミュラカーを使ったレースシム筐体が衝撃だった

この記事をまとめると

■HRCが自社開発したレースシム筐体「Honda eMS SIM-01」をリリース

■筐体には本物のフォーミュラカーのカーボンモノコックを使用する

■ハイクオリティな音と振動も相まって情緒的価値の高い走行体験を実現した

現実と仮想の境界を超えるeモータースポーツの未来

 いま、eモータースポーツの存在感は自動車メーカーまでもが注力するほどに拡大している。eモータースポーツの大会を主催したり、有力な選手をリアルワールドでのレーシングドライバーに育成するプログラムを用意したりと、各メーカーがさまざまな形で積極的に取り組むようすが見られる。

 モータースポーツのイメージが強いホンダもその例外ではなく、eモータースポーツにも早くから着目し、年齢・国籍・経験といった壁を超えて競い合えるというeモータースポーツならではのありかたを追求している。その代表的な取り組みとして、2023年からPlayStation 5®︎ / PlayStation 4®︎用ソフトウェア『グランツーリスモ7』内で”Honda Racing eMSチャレンジ”を開催。初年度から70カ国・20万人超が参加し、現在でも一大バーチャルイベントとなっている。

 そんなホンダが今回、独特のアプローチでeモータースポーツ界に新たな提案を投げかける。

 それが、ホンダのレース部門であるHRCが販売するレースシム筐体の”Honda eMS SIM-01″。その姿からはフォーミュラカーのリヤセクションだけを切り落としたような印象を受けるが、それも当然。この筐体は本物のフォーミュラマシンのカーボンモノコックを使用しており、それをベースにハンドル・ペダルユニットを設えるかたちで構成されている。

 フレームワークをざっと見る限りでは突飛な製品にも思えるeMS SIM-01。そのバックグラウンドには、HRCのeモータースポーツへ向ける想いがあった。

「eモータースポーツをモータースポーツの新しい入り口にしたい。」と語るのは、HRCでのeモータースポーツ事業のプロジェクトリーダーである岡 義友氏。岡氏はもともとホンダの研究所に所属しており、S660などのシャシー開発を手がけたのち、HRCへ。HRCではスーパー耐久マシンの開発に携わったほか、自らチーム監督を務めた経験をもつ。

 いわば実戦派であり、モータースポーツを愛する岡氏は、その楽しさをよりたくさんの人と共有すべく、eモータースポーツ事業を推進しながら、ひとつの夢を抱えていた。それが、没入感・迫力感・ホンモノ感を追求したオリジナルのレースシムの製作だった。

 そんなときに、ホンダが運営するプロドライバー養成機関、HRS(ホンダレーシングスクール)のスクールカーであるフォーミュラマシンが代替わりとなるという報せが舞い込んできた。鈴鹿に飛び、廃却待ちとなった旧型車のモノコックを目にした岡氏の、役目を終えたフォーミュラたちにレースシム筐体として新たな命を吹き込むというアイディアから、eMS SIM-01は生まれたというわけだ。

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