
この記事をまとめると
■開幕から大きな盛り上がりを見せたジャパンモビリティショー2025が閉幕した
■BYDやスズキなども注目されるなかでとくに存在感を示していたのがトヨタ系4ブランドだ
■「センチュリー」ブランドという話題性もありモーターショーでもトヨタ一強を強く感じた
ジャパンモビリティショー2025が好評のうちに閉幕
大盛況のうちに2025年11月9日にジャパンモビリティショー2025(以下JMS)が閉幕した。本稿執筆時点では開催期間中の累計来場者数は発表されていないが、開幕時点でメディア関係者の多くは「前回よりハンパなく盛り上がっている」と確かな手ごたえを感じていたので、累計来場者数の発表が楽しみである(※JMS2025の累計入場者数は101万人)。
筆者は会期中、平日の一般公開日に会場へ出かけた。10時開場の2時間前となる8時に会場に着いたのだが、すでにパラパラと開場を待つひとがいた。さすがに2時間立ち尽くすのもきついし、寒い日でもあったので、近隣のビルにあった休憩スペースで少し時間を潰し、午前9時ぐらいに再び入場ゲート近くに行くと、すでに数十名が開門を待つ列を作っていた。
午前10時になると開場となったが、展示棟へ来場者が駆け出して事故が起きないように警備員が先導するなか、筆者はまず東展示棟へ向かった。
最初の30分ぐらいは平日開催日っぽく、来場者も割と少なめだったが、すぐに土曜日や日曜日なのかと思うぐらい会場内は多くの来場者でごった返した。「平日でこの来場者数なのだから土曜日や日曜日は……」と考えたとき、1970年代や1980年代の日本経済が元気いっぱいでいまよりも世間のクルマに対する興味が高かったころの東京モーターショーの週末のにぎわいを思い出してしまった。
海外のショーでは、メディア向け先行公開日と一般公開日では注目される展示車が大きく異なることも多いが、今回の会場を見まわすと、メディア関係者が注目した展示車に一般来場者も注目しているように見えた。
まず目についたのは中国BYDオート(比亜迪汽車)ブース。乗用車と商用車展示ブースがわかれていたが、いずれも多くの来場者が訪れていた。乗用車では話題の軽自動車規格BEV(バッテリー電気自動車)の「ラッコ」、そしてラッコ並みにすでに市販されている「シーライオン7」や改良を行ったばかりの「シール」、「ATTO3」も熱心にチェックする来場者が展示車を囲んでいた。日本国内ではまだまだ低空飛行気味の販売台数となっているBEVであるが、JMSに来るようなクルマに興味のあるひとたちは、BEVにかなり注目しているようであった。
海外、とくに新興国のショーでは、ブースに立ち入るのも躊躇してしまうような賑わいを見せるメルセデス・ベンツのブースは、海外での盛況っぷりに比べれば、「これなら大丈夫」とブースに立ち入ろうと思える程度のにぎわいとなっていた。自動車市場が成熟した日本と異なり、新興国ではメルセデス・ベンツはまだまだ夢の存在なのかもしれない。
東展示棟にはスバル、マツダ、スズキ、ホンダがブースを構えていたが、意外といっては語弊があるのかもしれないが、スズキブースのにぎわいが目立っていた。
2026年度内量産予定となるコンセプトカー「Vision e-Sky」をはじめ、BEVとなる「e VITARA」、インドで発表されたばかりのクロスオーバーSUV「ビクトリス」のCBG(圧縮バイオメタンガス/牛糞由来のバイオ燃料)仕様車などに注目が集まっていた。ファミリー層に向けた明るい印象のブースとイベントコーナーも功を奏していたのかもしれない。
