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どんな脳みそで考えるとこんなクルマができるんだ!? 奇才パトリック・ルケマンが作った「独創性の塊」なルノー車4台 (1/2ページ)

どんな脳みそで考えるとこんなクルマができるんだ!? 奇才パトリック・ルケマンが作った「独創性の塊」なルノー車4台

この記事をまとめると

■ルノーのデザイナーとして欠かせない人物がパトリック・ルケマンだ

■独創的なデザインで数多くの名車を生み出した

■卓越したオリジナリティをもち独自の発想力が大きな武器だ

奇才が生み出した今も輝くルノーの名車たち

 ルーテシアやキャプチャーがマイナーチェンジでシャープな顔付きになる一方、9月に開催されたIAAでは斬新な6代目クリオ(ルーテシア)が発表されるなど、矢継ぎ早にデザイン改革を進めるルノー。しかし、同社のデザインで忘れることができないのが奇才パトリック・ルケマンです。今回はあらためて氏のユニークな仕事を振り返ってみたいと思います。

●最初の仕事は斬新なモノスペース・ミニ

 1945年フランス・マルセイユ生まれの氏は、大学卒業後シムカを経て1968年にフォードへ入社。空力を大きく意識したフォード・シエラなどを手掛け、その実力の片鱗を見せます。そして、VW・アウディグループを経たあと、ローレンス・ヴァン・デン・アッカーの後任として1987年にルノーへ移籍を果たします。

 着任早々、デザイン業務の改革に着手した氏の手掛けたクルマは多々ありますが、ここでは4台に絞って振り返ってみたいと思います。で、まず始めに取り上げるのは、1993年登場の初代トゥインゴとします。

 同車はルケマンが企画段階から手掛けた初めてのクルマで、メーカー自ら「モノスペース」と称したボディは、いわゆる一筆書きのカプセルシェイプ。わずか3425mmの全長は、2345mmのロングホイールベースによって安定感のあるスタンスを実現しました。

 登場早々、「ホンダ・トゥデイのパクリ?」なんて話もありましたが、カラフルなシートやスイッチ類の差し色などが効いた室内も魅力的で、250万台を超えるヒット作になりました。これは、ファミリー層をクリオ(ルーテシア)に任せたことによる割り切りが勝因といえそうです。

●ミニバンと3ドアハッチバックの融合?

 2台目は、2001年登場のアヴァンタイムです。MPVのエスパスをベースに3ドアのクーペを作るというトンデモ発想が、世界中のクルマ好きを驚かせました。

 たしかに、ルーフからリヤピラーを通ってリヤウインドウを囲む別色のパネルが斬新さを発揮していますが、ハチャメチャに見えつつ、フロントグリルからリヤパネルまで一気に流れる幅広いショルダー面など、線と面がじつによく練られていることがわかります。

 そのショルダー面により低重心さが強調されたボディに載るキャビンは、ピラーレスウインドウによって軽快で明るいイメージが特徴。独特の立体感はゴシック建築にたとえられることもありますが、それだけ独自性のある証です。もちろん「一体誰が乗るんだ?」という疑問から、わずか2年で生産終了となったのも理解はできますが……。

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