
この記事をまとめると
■2リッター化で匠仕上げの700万円のロードスター12Rは限定200台が即完売
■ロードスター12Rは「マツダスピリットレーシング」によって生み出された
■ブランド戦略の一環としてマツダスピリットレーシングはモータースポーツ活動を行う
マツダのモータースポーツを担うブランドに成長
まさか、こんな凄い「ロードスター」が登場するとは! 「マツダスピリットレーシング ロードスター 12R」に対して、ユーザーのみならず、自動車業界関係者も、さらにはマツダ社員ですら驚いている人が多い。
ライトウエイトスポーツを基本とするロードスターに、ND(第四世代)ソフトトップとしては国内未導入である2リッターエンジンを搭載し、しかもマツダ匠の技による各種加工やパートナー企業と連携したハイパフォーマンスパーツを満載したコンプリートカーに仕上げた。価格が700万円台に達しても、限定数200台は発売してまもなく完売。
また、2リッターエンジン搭載でユーザーがさまざまな仕様に仕立てることができる「マツダスピリットレーシング ロードスター」も大人気である。
そう聞いて、「いまさら聞くのもなんですが、マツダスピリットレーシングって何?」と思う人もいるだろう。筆者はマツダスピリットレーシングの初期からその意義や今後の方向性について、マツダ関係者と定期的に意見交換してきた。そうした体験をもとに、マツダスピリットレーシングの歩みを紹介する。
起点は、2019年だ。前田育男氏(現:マツダ・シニア・フェロー デザイン・ブランドスタイル監修)がプライベート参戦していたスーパー耐久シリーズに向けて若手ドライバーがステップアップできる体系を作ろうと発案した。
マツダは「ロードスター」ワンメイクシリーズの「パーティレース」があり、そこからプロドライバーを育成したいという思いがあった。その上で、マツダ本社が直接関与するスーパー耐久シリーズ参戦チームの2022年実現に向けた準備を進めていた。
