WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

消えゆく新車の紙カタログに「商談がやりづらい」とセールスマンの声も! ペーパーレス化は世界的な流れでもはや止められない?

消えゆく新車の紙カタログに「商談がやりづらい」とセールスマンの声も! ペーパーレス化は世界的な流れでもはや止められない?

この記事をまとめると

■新車ディーラーからは紙のカタログが消えつつある

■「物理的なカタログがないと商談しにくい」と感じる新車セールスマンも多いという

■タイの「モーターエキスポ2025」では珍しく三菱が紙のカタログを配布していた

世界的に紙のカタログが消えつつある

 最近、新車ディーラーに行ったときに確認するのが、「紙のカタログはまだありますか?」である。日系ブランドではトヨタが紙のカタログを全廃して久しい。先日、日本国内でもPHEV(プラグインハイブリッド車)を発売したものの、BEV(バッテリー自動車)ブランドということもあるのか、中国BYDオート(比亜迪汽車)も日本市場参入当初から紙ベースのカタログはない。

 まだ紙ベースのカタログを用意するブランドが多数派なのだが、その多くでもすでに簡易的なものとなっており、しかも細かい情報はそこにあるQRコードをスキャンして確認するものも多い。つまり、「もうすぐなくなります」的ブランドが多数派を占めているのである。若い世代ほど紙ベースのものでページをめくって情報を得るといったことに馴染みがないので、これも時代の流れともいえ、カタログのデジタル化を否定するつもりはないのだが、ベテランセールスマンと話をすると、「物理的なカタログがなくなるのは商談がやりにくい」という話を聞いたことがある。

 そのようななか、11月29日から12月10日の会期でタイの首都バンコク近郊で開催された「モーターエキスポ2025(第42回タイランド・国際・モーターエキスポ2025/通称バンコクモーターエキスポ)」の三菱自動車ブースでは自由にもっていくことができる形で車種別の紙ベースのカタログが置いてあった。しかも、意外なほどページ数のあるものであった。

 小学生のころよりカタログ収集を行っている筆者は、反射的にそこに置いてあったすべての車種のカタログをゲットしてしまった。レクサスでもお姉さまのいるカウンターに車種別カタログが置いてあったのだが、個人情報の提供をお願いされそうだったので、小心者の筆者はスルーしてしまった。

 ただ、別のブランドでは車両カタログと価格表がスキャンできるQRコードを車体に貼り、ブース内に掲示しているところもあり、ブランドごとにその対応が異なっていた。

 東南アジアではローンを利用しての新車購入がほとんどとなることもあり、価格表といっても日本の価格表とは少々異なり、車種別に支払回数ごとなどでのローンの支払い例みたいなものの早見表的なものを配布するのが一般的。頭金や金利、毎月の支払額などが各ブランドのキモとなるので、社外秘的扱いにもなっているようで、説明員が脈のあるお客だけに配るので、これはデジタルではなく物理的な紙でいまも配られている。

 会場内では商談も行われているのだが、覗いてみると電卓と手書きでお客とセールスマンが条件交渉を進めていた。

 その昔は終日ショー会場にいると抱えきれないほどの紙ベースのメディア向け資料や販売促進ツールが集まった。筆者は数年前までそのような紙の資料を集めるために、海外でもショー取材時にはカートを持ち歩いていたのだが、メディア向けの資料はペーパーレス化が進み、一般来場者向けの配布チラシなども激減したのでいまは持ち歩かなくなっている。

 スマホでスキャンすればすぐみられることは便利であるし、紙ベースのもののように手に余ることもない。ただ、そのなか紙ベースでしかも車種別のカタログ(結構ページがあった)を自由にもっていくことのできるようにしていた三菱の様子は少々異彩を放っていたが、筆者は大満足してしまった。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了