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【試乗】夏のシッカリ感は確認済み! 冬の安心感も半端なかった!! ブリヂストンの新作スタッドレス「ブリザック WZ-1」の進化っぷりに感動 (1/2ページ)

【試乗】夏のシッカリ感は確認済み! 冬の安心感も半端なかった!! ブリヂストンの新作スタッドレス「ブリザック WZ-1」の進化っぷりに感動

この記事をまとめると

■北海道にてブリヂストンの新作スタッドレス「ブリザック WZ-1」の進化を確認した

■低温ドライから雪氷混在路まで安定した操縦性と高い信頼感を発揮

■新開発Wコンタクト発泡ゴムがブレーキ性能と安心感を大きく向上させている

最新スタッドレスを幅広いコンディションで試す

 ブリヂストンの最新のスタッドレスタイヤ、ブリザックWZ-1にはじめて試乗したのは7月後半、真夏のアイススケートリンクだった。一般公道に真っ平らなアイスリンクの路面状況はありえない。ここでいったいなにがわかるのか!? ということはメーカーであるブリヂストンだって百も承知。現行品ブリザックVRX3とWZ-1の新旧商品の違いなのだが、現行品もその時代時代の最高技術を投入して開発された商品だから、劇的な差とはならない。でも、わずかに差はつく。そこが進化である。

 いよいよ冬本番だが、履き替えはまだ間に合う。新しいスタッドレスタイヤの試乗は、探ることが多くていつもウキウキする(変態要素アリ)。北海道に飛び、旭川で迎えた朝。先週まで降った雪は今週はまったく降らず、気温も高いため積もった雪は除雪も含めて道の端に少量残るのみ。交差点のブラックアイスバーンを新しいWZ-1はどうスタートするのか、止まるのかと想像し期待もしたが、実現不可能。つまりは低温ドライ路面の走行となる。

 とはいえ、大雪山に向かう国道、峠道、旭岳を登りはじめると、残雪が凍結から溶け出した状況。つまり圧雪部分もあるが、気温上昇とともに凍結からの変化で路面そのものが滑りやすく変化する。

 その滑りを経験する前に、降雪地域でもドライ走行で進む操縦特性は重要案件だ。轍の深い国道での直進安定性の落ち着き、ステアリング中立付近のしっかりした手応えを感じられる収まりのよさがまずはいい。柔らかすぎず硬すぎない乗り味も心地いい快適さだ。

 市内に雪がないことを嘆いたが、移動しながらドライの舗装路からスノー、アイス、シャーベットと標高の差、日照、日陰の違い、変化してゆく路面に遭遇できたことは幸いだった。路面とのコンタクト感、接地感によるグリップの変化が感じられるからだ。

 試乗車はあらゆるニーズに合うようにクラス、サイズ別に輸入車から軽自動車まで8車種すべてが4WDで用意された。それぞれのモデルにWZ-1を装着したときの印象が掴みやすいよう配慮してくれたブリヂストンに感謝である。

 最初に乗ったのはアウディQ5で、これは舗装路が中心だった。すでに夏の暑い空気のなかで市街地から高速走行も行い、高温でもグニャ感なく走行可能なことも確認済み。旭川の気温0度のこの状況こそがWZ-1が真価を発揮する場だろう。

 ドイツのプレミアムブランドのスポーツSUVとなるQ5は、街乗りからスムースで乗り心地は接地面の硬質感が伝わる。と同時に舗装路を50km/hで定常走行すると、ドライバーの頭の後ろあたりで「シャー」とロードノイズ、パターンノイズともいえるが、車速とノイズの共振が気になるところ。

 次に試乗するボルボXC60では、耳を澄ましてもロード、パターンノイズは室内にまったく流れ込まないという違いに正直驚いた。遮音効果はアウディのほうが高いという認識だったが、耳に届く振動が丁度気になる周波数だったともいえる。

 ボルボでは急発進、急ハンドル、急ブレーキと、冬季に滑りやすい状況では御法度の操縦を意図的に行う。それでも登坂走行では、ヒヤリ、ハッとする状況は一度も経験しない。WZ-1の特性と北欧生まれの懐の深い操縦安定性が組み合わさり、この程度の路面状況であれば、どうにでも対応できるのだろう。

 なんだか肩透かしを食らった感のまま、乗り換えポイントでホンダZR-Vにクルマをチェンジした。

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