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「見た目だけかよ……」 純正オプションでもホイールのインチアップが正解とは限らなかった (2/2ページ)

「見た目だけかよ……」 純正オプションでもホイールのインチアップが正解とは限らなかった

この記事をまとめると

■インチアップはドレスアップの定番だが乗り心地や小まわり性能に影響を与えることがある

■同車種間での世代を跨いだ純正ホイールの流用においても同じく性能が変わるリスクをもつ

■新車でオプション装着を検討しているなら装着車に試乗したほうが確実な選び方だ

ドレスアップの定番であるインチアップ

 クルマの走りやカッコよさに影響するパーツのひとつがタイヤだ。同じ車種でもグレードによってタイヤサイズが異なるケースも多く、高いグレードのほうが大径タイヤを装着しているのが一般的。インチアップすればタイヤのサイドウォールが薄くなり、幅が広がり、剛性が高まる。すると、操舵に対するレスポンスがよくなり、スポーティな運転感覚と上質な乗り味が得られやすいことは確かだ。

 そして、いまではクルマの大型化に伴い、19インチや20インチ、さらには21インチという大径タイヤ&ホイールを標準装着している車種も増えてきている。

 しかし、もしも乗り心地のよさで選んだ車種のカッコよさだけを追求し、大径タイヤ+スポーツサスペンション装着車や、オプションの大径タイヤを選ぶ場合は注意が必要だ。ひとつの例としては、設計基準のタイヤサイズが違うケースだ。もちろん、オプションの大径タイヤも開発段階でテストをしているはずだが、快適性と操縦安定性のバランスでは、設計基準のタイヤサイズがベストであることがほとんどだからだ。

 現行クラウン・エステートの標準タイヤは大径な21インチだが、その前提で開発されている。だから乗り心地や操縦性だけでなく、エクステリアデザイン的にもバランスが取れており文句のない出来だ。

 かつて発売されていたEVのHonda eは、ベースグレードと上級グレードのアドバンスで、タイヤサイズと銘柄までもが違う。

 乗り心地では、上級グレードの17インチよりもベースグレードの16インチタイヤ(ヨコハマ・ブルーアース)のほうが、より爽やかな走行感覚と、しっとりとマイルドな乗り心地で、上級感を演出。ロードノイズの小ささもこちらが上で、静かで快適に走るEVらしさという点では、迷うことなくベースグレードに軍配が挙がると筆者は感じた。

 現行VWゴルフの例では、逆に16インチタイヤを履くグレードより、中間グレード以上の17インチタイヤを履くグレードのほうがVWらしく、ドイツ車らしい。骨太でがっちりとした乗り味を示してくれるから、大径タイヤの有利か不利かは、車種によって異なるということだ。

 ただし、18インチタイヤ+スポーツサスペンションが組みあわさるR-Lineは、乗り心地が一気に硬くなり、実用エンジンとのバランスが微妙に感じるかもしれない。むしろ、同じ18インチタイヤを履く最強グレードのゴルフRのほうが、乗り心地が上質だから話は複雑だ。

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