
この記事をまとめると
■EJ20はスーパーGTに参戦するマシンで最小排気量のエンジンだった
■2025年にてEJ20の搭載が終了となった
■モータースポーツ用のEJ20に関わったエンジニアたちに思い出をインタビュー
36年使われたエンジンが現役を退く
スーパーGTのなかで最小排気量エンジンとして奮闘してきたスバルEJ20エンジン。
1989年に登場したレガシィRSによるFIA 10万km世界速度記録達成、WRC、スーパーGT、ニュルブルクリンク24時間レースと36年に渡ってスバルのモータースポーツを支えてきた。
そんな歴史あるエンジンではあるが、市販車への搭載はすでに終了しており、スーパーGTマシンへの搭載が、EJ20エンジンの最後の活躍の場となっていた。
スーパーGTで戦うために、スバルのモータースポーツを担うSTIでは、ライバルたちの大排気量・高出力へ対抗するため、パワーアップはもちろん、重箱の隅をつつくような細かいアップデートをおこなうなどして、ときにライバルを凌駕するパフォーマンスを見せてくれた。
しかし、2025年EJ20エンジンを今年で終了するとスバル/STIより発表され、36年に渡るモータースポーツでの活躍に幕を下ろすことになった。
スーパーGTの前身であるJGTC全日本GT選手権に、1997年からキャロッセがインプレッサを投入した。この車両にもEJ20が搭載されている。このときはキャロッセ独自の参戦のため、STIとしてはエンジンは供給していたが技術支援程度の関わりだったという。
その後スバルがスーパーGTに本格参戦したのは、2009年のレガシィB4から。AWDのレガシィB4で参戦を開始しその後FR化。そして2012年にBRZにマシンチェンジを行い現在に繋がっている。
WRC時代などの輝かしい歴史も多くあるが、今回はスーパーGTを中心に、STIのエンジンエンジニアにEJ20エンジンについて振り返ってもらった。
STIモータースポーツプロジェクトチーム プロジェクトジェネラルマネージャーであり、スーパーGTの総監督を努める小澤正弘、パワーユニット技術部 SGTエンジン開発プロジェクト主査 長田和富、 パワーユニット技術部 SGTエンジン開発プロジェクト主事 吉原健介の3名に登場していただいた。
主な役割として小澤氏はスーパーGTの総監督という立場ではあるが、STIではGTも含めSTIモータースポーツ全般を取りまとめ、パワーユニットのモータースポーツ用エンジンの実験も取りまとめている。
長田氏はパワーユニット技術部でSGTエンジン開発プロジェクトを担当しており、主に設計を担当している。吉原氏も同じくSGTエンジン開発プロジェクトで、実務者としてエンジン設計に携わっている。まさしくSTIのエンジン設計に関わる3名だ。
