
この記事をまとめると
■ホイールの製造方法には「鍛造」と「鋳造」がある
■「鍛造」は軽量で「鋳造」は重いとされているが性能差は縮まっている
■昔のホイールを最新モデルに入れると設計の都合から強度不足になる可能性がある
ホイール正しいの選び方とは
アフターパーツのアルミホイールにはさまざまな種類がある。鍛造や鋳造といった製法だけでなく、デザインなども多岐にわたるが、走りの性能で選ぶならどういったものがいいのだろうか。
スポーツホイールの定番といえば鍛造(たんぞう)製法のホイールだ。鍛造製法とは、アルミの塊を巨大なプレス機で押しつぶすことで成形する方法。その押しつぶす力は、かつては数千トンというケースが多かったが、ホイールの主流が17インチや18インチから、いまや20インチや21インチへと大径化し、表面積が広い分、より大きな力のプレス機が必要となり、現在では1万2000トン級のプレス機なども使われている。
大きな力でアルミを押しつぶすことで、「鍛流線(たんりゅうせん)」と呼ばれるものができる。アルミ素材が押しつぶされることで金属組織が繊維状に整列し、より粘りのある強い素材にすることができる。その効果によって、薄く作っても強度と剛性が保てるため、結果として、鍛造ホイールは軽く作れるのだ。そのため、少しでも軽くすることで運動性能を上げたいモータースポーツの世界では、鍛造ホイールが使われることが多い。
対する鋳造(ちゅうぞう)ホイールは、ドロドロに溶けたアルミを型に流し込んで固めて作る方式。大量生産に向いているほか、細かい造形がしやすいため、複雑なスポーク形状などデザイン性の高いホイールを作りやすいのが特徴だ。
鍛造に比べれば重くなりがちではあるが、力の掛かりやすいリム部分にだけ、鍛造のように圧力を掛けながら伸ばしていく「圧延(あつえん)製法」や「MAT製法」と呼ばれる作り方がある。この処理を施すことで、鍛造ホイールに近い軽さと強さを手に入れているモデルもある。
このリムに圧延処理を施した鋳造ホイールは、鍛造ホイールよりもわずかに重いが、正直なところ、重さ以外では遜色ないレベルの性能をもつ。実際、スーパー耐久シリーズでは数多くのチームで「鋳造+圧延処理」のホイールが採用されている。
性能的には十分で、価格は約半分。レースでは最低でも6セット(24本)、富士24時間耐久レースを戦い抜くには10セット(40本)ものホイールが必要になる。コスト面からも、あえて鋳造ホイールを選ぶチームも多いのだ。
普段乗りで性能を求めるなら、鍛造ホイールか、圧延処理を施した鋳造ホイールが選択肢に入る。ただ、気をつけたいのが「昨今のクルマの進化に対応しているか」という点だ。
クルマはここ20年で大幅に重くなり、パワーもトルクも考えられないほど高い。それだけにホイールに対する負担は大きい。なので、軽量なスポーツモデル用ホイールを、「サイズが合うから」とアルファードのような重量級のクルマに履かせると、その重さに耐えられない可能性がある。
とくに、古いスポーツモデル向けの軽量ホイールは要注意だ。装着できたとしても、最新モデルのパワーに対して剛性が足りず、ハンドリングが曖昧になることもある。
たとえばRAYSだと、近年のクルマの性能に合わせて「CE28N」のデザインを踏襲しつつ、フルモデルチェンジによって剛性アップを図るなど、最新モデルに対して対策を施してきている。
ホイールは走りにシビアな影響を与えるパーツなので、ぜひ信頼できる有名メーカーのモデルを選んでもらいたい。運動性能を求めるなら軽さも大事だが、強度と剛性はそれ以上に重要な要素だ。モデルごとにコンセプトがあるため、その設計思想と自分の使い方が合致しているか、よく確認してからチョイスしてほしい。
